2010年のNEB内のリフトの一部が白斑に変化する活動について by T.Enomoto


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2010年のNEB内のリフトの一部が白斑に変化する活動について by 榎本孝之(東京理科大学天文研究部)


2010年のNEB内のリフトの一部が白斑に変化する活動について by T.Enomoto
2010年9月から10月にかけて北赤道縞に見られたリフトの活動について。

このレポートでは、9月7日ごろにNEBの体系2で230度付近に発生したリフト活動につ
いて追跡します。詳細は画像をご参照ください。(この画像群は、月惑星研究会Webに
公開されている数多くの画像から展開図を作成し、その中で注目したい部分について
トリミングを行ったものです。)

2010年9月7日ごろ発生したこのリフトは、9月21日ごろまでは通常のリフトのように
順調に発達してゆきます。しかしながらこの先数日間はその近傍にあるバージの反時
計回りの流れに巻き込まれ引き延ばされます。

9月28日には引き延ばされたうちの一部分がリフトから切り離されるように遠ざか
り、29日には白斑を形成し始めます。そしてその後すぐに白斑としてNEBの北縁を前
進し始めます。

前進したのちすぐに体系2で190度付近にあるバージに接近します。白斑はこのバージ
の北を通過し、10月6日にはこのバージとマージを始めます。このあとにバージはす
ぐに消滅しますが、10月10日にはまだ白斑として存在しています。しかしながらすぐ
に減衰し、10月16日にはこの白斑の存在も無くなってしまいます。

これら一連の活動を直感的に理解するために、アニメーションを作成しましたでので
併せてご覧ください。

このようなリフトの活動はこれまでに記録されたことは無く、興味深い記録だと思わ
れます。最近の記録にとどまらず、過去の画像についても詳しく調べてみてみる必要
があると感じました。



<Takayuki Enomoto Itabash-Ward Tokyo Japan>
≪東京都板橋区  榎本孝之(東京理科大学天文研究部)≫
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