2008/07/17

ALERT "The LRS is approaching encounter with the Great Red Spot"
(Yuichi Iga)

いよいよ、小赤斑が大赤斑に接近

南熱帯に位置する小赤斑(Little Red Spot)が、大赤斑との会合に向けて接近しています。


この小赤斑は、2007年のシーズンに同時に発生した南熱帯攪乱の1つであるSTrD-2が変化したものと考えられています。また、小赤斑はメタンバンドで明るく写ることから、木星大気の高層まで吹き上げている渦であり、大赤斑やSTB白斑と同様な高気圧性斑点(anticyclonic oval)です。


今後の小赤斑はどうなるでしょうか?(詳しい予想についてはこちらのページを参照)

(A) 小赤斑は大赤斑後方で停止し、消滅する。
(B) 小赤斑は無事に大赤斑を通過する。
  ※ただし、実際には、大赤斑通過後に南熱帯で小赤斑は消散してしまった。
(C) 小赤斑は大赤斑を循環する気流に乗って、大赤斑の周りを回ってマージする。
(D) 小赤斑はすぐに停止して、その後ゆっくりと後退を始める。
(E) 小赤斑が大赤斑を通過すると、南熱帯攪乱が復活する。
(F) 小赤斑はSTB白斑"BA"と相互作用して、2つの白斑はマージする。

小赤斑はすでに大赤斑孔内に入り込んでおり、小赤斑の動きは加速されています。これらの現象は今後7日から10日までである7月8日頃までに発生するものと思われます。ぜひとも集中した観測でこの現象をとらえたいと思います。(6月30日記)

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Animation 7/14

小赤斑が大赤斑孔にさしかかった6月27日から、ほぼ毎日の観測画像の展開図をアニメーションにしました。小赤斑が、大赤斑の南側を回る時に細く引き伸ばされ、大赤斑の左上に再び出現し、大赤斑前方の南熱帯に進み、そして急速に消散する様子をご覧ください。


Imaged by H.Einaga(7/12), C.Go(7/10), I.Miyazaki(6/20,27,28,30,7/1,2,3,4,5,7,8,9).
Cylindrical maps were generated by Y.Iga.
Large size (720x240): AnimationGIF(1306KB) / QuickTime Movie(495KB)

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Daily Observations

2008/07/16 BAA report [J.H. Rogers] 7/17

Synopsis of the LRS-GRS collision
小赤斑と大赤斑の衝突の概要


添付した物は、ここまでの小赤斑と大赤斑との衝突についてのレポートである。何人かはその一部を見ているだろうが、私たちはともに理路整然とした記述を受け取るべきだと考えた。これは1つの図だけの短いバージョンである。このレポートの長いバージョンは、全ての図と幅広い背景と議論を含んでいて、私たちのWebサイトに置いてある。


原文:BAAサイトhttp://www.britastro.org/jupiter/2008report04.htm

日本語訳こちらをクリックしてください。
なお、画像についてはBAAサイトをご覧ください。


現象はまだ終わっていない。このメッセージを準備している間でさえ、Antonio Cidadaoは7月14/15日になおもメタンで明るい復活した小赤斑を示す画像を送ってくれ、Hans-Joergは更新したJUPOSチャートを送ってくれている。


そこで、観測者の皆さん、この素晴らしい報道にお祝いを述べるとともに、どうか画像の撮影を続けてもらいたい。今なおも筋の通った小赤斑の残存物があるが、それが安定であるかどうかを知ることは重要であり、そして間もなく再び大赤斑と衝突するだろう。

大赤斑の前方に出現した小赤斑の残存物は、高気圧斑点に進化したように思われ、それはおそらく小赤斑の重要な部分が生き残った物である、と結論づけている。


John H. Rogers, Ph.D.
Jupiter Section Director,
British Astronomical Association.

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2008/07/15 13h12mUT [Hideto Fukui, Japan] 7/17

7月16日のBAAレポートによると、7月10日から可視光で見えなくなっていた小赤斑が、7月12日には残存物として再び南熱帯に出現しているとのことである。大赤斑の南側を回るアーチ状のstreakが、大赤斑の前方に引き伸ばされているが、その先端の北側に最初は白斑として、7月13日にはGrassmann氏の画像にあるように赤い斑点として、見えていることになる。BAAレポートによれば、この残存物はSEBsジェット気流に乗って、今度は大赤斑に接近しているそうである。


福井氏の画像で、黄色の矢印で示すのが小赤斑の残存物だろうと思われる。


7月20日の関西支部例会が終わってから、7月12日以降の観測を見直したいと考えている。



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2008/07/15 00h26mUT [Guilherme Grassmann, Brasil] 7/16

The small red spot on left side of GRS still there, may be is a remainder of Little Red Spot (STr-LRS)?


【訳】大赤斑の左に小さな赤い斑点がまだ存在していて、小赤斑の残骸だろうか。


【解説】Grassmann氏の画像では、大赤斑前方にstreakが伸びているが、その先端付近には斑点は見当たらないように思われる。


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2008/07/14 16h45mUT [Teruaki Kumamori, Japan] 7/16

熊森氏の画像でも大赤斑前方のstreakに変化は認められない。


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2008/07/14 16h58mUT [Isao Miyazaki, Japan] 7/16

Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

宮崎勲氏の画像では、特に大きな変化は見当たらない。



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2008/07/13 11h34mUT [Isao Miyazaki, Japan] 7/14

宮崎勲氏の画像では、低空で条件が悪いが、特に大きな変化は見当たらない。


Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

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2008/07/13 00h01mUT [Guilherme Grassmann, Brasil] 7/14

On left side of GRS ,looks like that ,the Little Red Spot (STr-LRS) in the STROpZ doesnエt collapse as I assume some days before .Looks to me that is revivel as you can see on the images.


【訳】私が数日前に予想していたように、大赤斑の左側に南熱帯の小赤斑が崩壊していないように見える。画像で見えるように、これは小赤斑が復活したように見える。


【解説】Grassmann氏の画像では、大赤斑前方のstreakの先端に赤い斑点が見られる。しかしながら、これは小赤斑の復活ではないと考えている。9時間前の永長氏の高精細画像から、小赤斑の痕跡は可視光で認められないので、おそらくこれは画像処理による偽り(artifact)ではないかと思われる。

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2008/07/12 15h20mUT [Hideo Einaga, Japan] 7/14

永長です。晴れ間が続き、撮りだめばかりになっています。12日(UT)の分はほとんど未処理です。とりあえず、GRS付近の詳細な画像が得られましたので皆さんで分析してください


【解説】永長英夫氏の高精細画像では、やはり可視光では小赤斑の痕跡は見られない。大赤斑の南側のアーチ状のstreakが、南熱帯に向けて吹き出している詳細がとらえられている。また、SEBsを後退する暗斑群が大赤斑の北側に回り込んで、大赤斑の周りの渦に取り込まれている。



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2008/07/12 15h00mUT [Akira Kazemoto, Japan] 7/14

風本です。メタンバンドフィルターで撮りましたが、小赤斑がどうなっているのか確認できません。


【解説】風本氏のメタンバンド画像では、10日UTのGo氏の画像と同じく、大赤斑前方の南熱帯に明るい領域が見える。7日UTの観測まではメタンバンドでも楕円形をしていたが、かなり拡散した様子である。可視光では小赤斑の痕跡は見えないので、小赤斑は消失したと判断したが、高層には小赤斑の痕跡が残っているのかもしれない。今後、小赤斑が再び見える可能性も残っている。



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2008/07/10 14h21mUT [Isao Miyazaki, Japan]

宮崎勲氏の画像では、透明度が悪かったそうで、詳細はよく分からない。


Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

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2008/07/10 13h42mUT [Christopher Go, Philippines]

In the methane band image below, the high altitude cloud of the STrZ LRS has dissipated! The remnant can be seen east of the GRS! In visible light, the LRS can no longer be seen! The SEB area following the GRS is very busy!
The STB white oval surrounded by a dark ring looks interesting. Oval BA's red ring is very prominent. It has now passed the GRS.


【訳】メタンバンド画像では、南熱帯の小赤斑の高層の雲は消散してしまった。残存物が大赤斑の東方に見えている。可視光では、小赤斑はもはや見ることはできない。大赤斑後方のSEB領域はとても活発である。暗いリングに囲まれたSTB白斑は興味深い。白斑BAの赤いリングはとても目立っている。ちょうど大赤斑を通過している。


【説明】Christopher Go氏のメタンバンド画像によって、小赤斑が消失していることが確認された。7日UTにはGo氏のメタンバンド画像によって、小赤斑が大赤斑前方の南熱帯に進んでいることが確認され、この時は可視光でも淡いオレンジ色の小赤斑が確認されている。小赤斑は、その後8日UT以降、可視光では姿が確認されていなかった。


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2008/07/10 03h11mUT [Guilherme Grassmann, Brasil]

The protuberance on left side of GRS still there,looks like that no separation is visible yet.


【訳】大赤斑の左側のこぶが今なお存在していて、分離はまだ見えていないようである。


Grassmann氏の画像では、大赤斑前方のstreakが少し前方に伸びている姿が見られる。小赤斑は認められない。

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2008/07/09 17h49mUT [Isao Miyazaki, Japan]

宮崎勲氏の画像によれば、大赤斑の南側を流れるアーチ状のstreakがかなり太く、さらに濃くなっている。このstreakの前端よりさらに前方に、細いひも状の暗部が見える。注目している小赤斑の姿は見当たらない。


大赤斑の前方に現れたstreakは、このまま南熱帯を前方に伸びてdark streakを形成するか、あるいは大赤斑の周りの強烈な渦に再び取り込まれるものと思われる。


Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

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2008/07/08 12h06mUT [Isao Miyazaki, Japan]

低空にもかかわらず観測された宮崎勲氏の12h37mの画像を拡大して詳しく見ても、条件が悪いので、小赤斑はその存在が良く分からない。大赤斑の南側をアーチ状に流れる青暗いstreakが、大赤斑前方に突出している先端部がオレンジ色をしているので、おそらくこの付近に小赤斑は存在しているものと思われる。


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2008/07/08 11h41mUT [Anthony Wesley, Australia]

Anthony Wesley氏の画像でも、1時間後の宮崎氏の観測と同じく、小赤斑の存在が良く分からない。大赤斑前方に伸びているdark streakは、長さは7日UTとあまり変わらず、その前端部の周りが赤味を帯びている。

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2008/07/08 01h53mUT [Guilherme Grassmann, Brasil]

The protuberance on left side of GRS still there,looks like that ,the Little Red Spot (STr-LRS) in the STROpZ doesnエt collapse as you can see in the images.We must wait some days to see the evolution and to know if STr-LRS will separate from GRS.


【訳】大赤斑の左側のこぶが今なお存在していて、画像からわかるように南熱帯の小赤斑は壊れていないように思われる。進展を見守って、小赤斑が大赤斑から離れるかどうかが分かるには数日が必要である。


Grassmann氏の画像は、7月7日UTの宮崎氏の観測から10時間後である。おそらく、小赤斑は大赤斑前方のdark streakの先端に位置しているものと思われる。


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2008/07/07 16h11mUT [Isao Miyazaki, Japan]

宮崎勲氏の16h11mの画像を拡大して詳しく見ると、小赤斑は大赤斑の周りの渦から離れ、大赤斑の東方(左)の南熱帯に進んでいるように思われる。おそらく、淡いオレンジ色の円形が小赤斑だと思われる。その後方には、大赤斑の縁を流れる青暗いstreakが見られ、しばしば観測されるdark streakが南熱帯に形成されようとしている。


この観測だけでは小赤斑であると断定はできない。もしかすると、大赤斑の左下にまだとらえられたままかもしれない。メタンバンド画像などで、会合前のような高層まで吹き上げている斑点がどこに存在するかを確認する必要がある。


宮崎氏の報告の後、Christopher Go氏のメタン画像の報告があった。明らかに小赤斑と思われるメタンバンドで明るい斑点が、大赤斑の前方にとらえられている。これで、小赤斑は狭い大赤斑の南側を押しつぶされるようにして通過しても、高層まで吹き上げている高気圧性斑点の性質を保ったまま、再び大赤斑前方の南熱帯に出現したことになる。おそらく、小赤斑はこのまま南熱帯を前進して行くものと思われる。

Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

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2008/07/07 15h59mUT [Christopher Go, Philippines]

Finally, a good image on the 3 red spots. It seems that the LRS might have survived it's passage between the GRS and BA!! You can see it attached to the p side of the GRS! Note it's red material spread all over! In the Methane band image the LRS is distinct. It seems like this spot will be attached to the GRS and probably get absorbed as it goes around the GRS.
Note also that the NNTZ LRS is bright in methane band! The red ring of BA is still very distinct.
The SEB is very busy. Note the dark barge at the SSTB. The NEB is quiet.


最終的に3個の赤い斑点の良い画像を撮影することができた。小赤斑は大赤斑とBAの間を通過して生き残っているように思われる。大赤斑の前方にくっついているのが分かるだろう。一面に赤い物質が拡がっていることに注意。メタンバンド画像では小赤斑が明瞭である。小赤斑は、大赤斑の周りを廻ったとき、大赤斑にくっついて、おそらく吸収されるだろう。【この記述は誤りであろう。小赤斑はこのまま大赤斑から離れて行くものと思われる。伊賀】
また、NNTZの小赤斑がメタンバンドで明るいことに注意。BAの赤いリングは今もなお非常にはっきりしている。
SEBはとても活発である。SSTBに暗いbargeがあることに注意。NEBは静かである。


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2008/07/07 BAA report [J.H. Rogers]

LRS remnant emerging past GRS?
小赤斑の残存物が大赤斑を通過して出現している?


最新の画像によれば、十分に確実であるほどはっきりしていないが、小赤斑の残存物が大赤斑の前端に再出現している。添付した画像には、重要な新しい画像として、極東からの7月5日の3枚と、Antonio Cidadaoからの7月3日と6日のメタン画像がある。これらのメタン画像によれば、小赤斑は十分に分解されていないが、可視光で見える残存物とずっと完全に一致しているメタンで明るい残存物、すなわち"no cap disconnection"が存在していることを示している。


また、大赤斑の後方半分が7月3日にメタンであまり明るくなく、7月4日および5日のカラー画像ではわずかに灰色がかっていたことを指摘する。これはあまりにも微妙であるために、通常の変動であるかもしれないが、たぶんこれも衝突の影響であろう。


さらなる高解像度画像やメタン画像がとても重要になるだろう。


John H. Rogers, Ph.D.
Jupiter Section Director,
British Astronomical Association.


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2008/07/06 00h30mUT [Guilherme Grassmann, Brasil]

The Little Red Spot (STr-LRS) in the STROpZ encontered the GRS and pass over them with no damage in size and shape as you can see in the images. What kind of phenomenous happen ,we know that GRS is a very strong storm and pass near of them should be very dangerous ,why the LRS doesnt collapse?


南熱帯の小赤斑が大赤斑と会合し、画像で見るように、サイズや形でダメージを受けることなく大赤斑を通過した。どのような種類の現象が起こったのだろうか。大赤斑が異常に強い嵐であり、そのそばを通過することはとても危険であることを知っている。どうして小赤斑は崩壊しないのだろうか。


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2008/07/05 15h03mUT [Christopher Go, Philippines]

The Oval BA is now in conjunction with the GRS. The LRS just went between the GRS and Oval BA. Note the reddish protrusion southeast of the GRS! Is the the LRS remnant?


Christopher Go氏のコメントにあるように、小赤斑は大赤斑の左上に再出現している。

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2008/07/05 15h01mUT [Isamu Hirabayashi, Japan]

昨晩(7月5〜6日)、久しぶりに晴れて観ました。シーイングはさほど良くありませんでしたが(S:3〜4)、それでもRS左肩、BAの直ぐ北(RS Hollowの外側)に小さな赤みの強い(RSに匹敵する位)斑点を捉えています。赤味が強いことから、おそらくRS南部を迂回してきた小赤斑だと考えられます


観測中のサンプル処理(状況を把握するためAVI画像100枚程度を選択してREGISTAX処理をする)の段階でLRSがRS前方肩にあることを確信しました。今ひとつクリアさに欠け、良い画像ではありませんが、何とかその存在が判ると思います。(特にその赤みで)。


RSから離れるに従ってそのサイズが元に戻るかどうか、どのようにSEB南縁に近づいていくのか、そのときのRPはどのように変化するのか、興味が尽きません。

平林 勇

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2008/07/05 14h27mUT [Isao Miyazaki, Japan]

宮崎勲氏の14h40mの画像を拡大して詳しく見ると、小赤斑が大赤斑の左上に再び現れていることがわかる。これはこれまでの移動速度から予想された位置である。オレンジ色の丸い形状をしており、大赤斑とSTB白斑BAとの間の狭いチャネルを細長く引き伸ばされて通過した後に、元の渦が勢力を取り戻しているように見える。


今後は、小赤斑がこのまま大赤斑の周りの渦を回り続けるか、あるいは小赤斑が大赤斑前方の南熱帯に移動するかが焦点である。

Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

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2008/07/05 13h55mUT [Anthony Wesley, Australia]

Anthony Wesley氏の画像を見ると、小赤斑は大赤斑の左上に再出現している。

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2008/07/04 18h03mUT [Isao Miyazaki, Japan]

宮崎勲氏の画像を詳しく見ても、小赤斑はどこにあるか分からない。前日までの動きからは、大赤斑の真上である0時の方向から11時の方向に位置していると予想されていた。7月3日UTに大赤斑の右上に確認されてから24時間のうちに、小赤斑は細かく分裂してしまったか、さらに細長く引き伸ばされてしまったものと思われる。


なお、大赤斑前方(左)に見られる大赤斑孔の暗部は、色調の違いや移動速度から判断して、小赤斑とは別物と思われる。しかしながら、この暗部の出現場所はとても気になる。また、STB白斑BAにも今のところ変化は見られない。2-3日後の観測から、小赤斑はどうなったか、判断されるものと思われる。

Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

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2008/07/04 BAA report [J.H. Rogers]

Jupiter: collision of red spots
赤い斑点の衝突


南熱帯の小赤斑(Little Red Spot)が現在大赤斑と会合していて、大赤斑によって明らかに分断されている。何人かはすでに画像を見ているが、他のみんなにとっては、これが会合を示すこれまでで最良のものである。偶然によって、3番目の赤みがかった斑点と白斑BAがまさに大赤斑と並んでいるときにこの会合は起こっている。


小赤斑は6月30日まで大赤斑に向かって着実に移動していて、南西に加速し始めたとき、大赤斑の縁の高速な気流に乗った。7月2日までに、小赤斑はわずかに赤みがかった色を残し、大赤斑の周りを移動する非常に狭いstreakに引き伸ばされ、7月3日におそらくなおも小赤斑の残存物は見えている。現在、小赤斑は完全に壊されてしまったかもしれない。小赤斑は大赤斑とBAとの間でとても堅く押しつぶされている。しかし、小赤斑が大赤斑の前端で再形成されるような場合に備えて、高解像度の観測を続けることは重要である。


この現象を記録するため多大な努力を払っている全ての観測者に、おめでとうを述べる。ちょうど1年前の循環気流と同じく、オーストラリアでは天候に恵まれなかったが、Isao Miyazakiはほとんど毎晩良い画像を得ることに成功した。そして、Damian Peachは16度しかないイギリスから良い解像度のメタン画像を得ることに成功した。さらなる高解像度画像やメタン画像はとても貴重なものになるだろう。


いくつかの歴史的注釈

(1)大南熱帯攪乱(これも高気圧性循環)の前端が大赤斑と会合したとき、大赤斑の前端で再形成したものであった(B.M. Peekの本に記述されているように)。

(2)他のタイプの渦が大赤斑と会合したとき何が起こったかを見るためには、Voyagerの動画を参照。

(3)1986年の小赤斑や1889-1890年の同様な斑点(色は観測できなかった)のように、近年の小赤斑は南熱帯攪乱から発生し、前進運動(負のDL2)が共通である。これらの斑点は南熱帯の一般的な白斑やグレー/茶色のリングとは、ゆっくりと移動する(0からわずかに正のDL2)点で区別される。(1990年と1993年にSEBが淡化した時、大赤斑と共に赤くなった異常な場合を除いて、後者の斑点は赤くならない。)このように南熱帯の高気圧性斑点には異なった起源と性質をもつ2つのクラスがある。

(4)北温帯の小赤斑の詳細については、たぶん近年の南熱帯小赤斑と類似していて、1997年の我々のBAAレポートを参照のこと。


John H. Rogers, Ph.D.
Jupiter Section Director,
British Astronomical Association.


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2008/07/03 13h04mUT [Isao Miyazaki, Japan]

宮崎勲氏の画像を拡大してみると、小赤斑はまだ赤色の領域が引き伸ばされた形を保っていて、大赤斑の南に近い位置まで移動しているように見える。あるいは、小赤斑は部分的に分裂しているかもしれない。


おそらく小赤斑は、大赤斑とSTB白斑BAとの間の狭いチャネルを通り過ぎるだろう。その後大赤斑の前方に進んだ時に、再び小赤斑は渦として姿をみせるかもしれない。


Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

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2008/07/02 17h08mUT [Isao Miyazaki, Japan]


Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

世界中の人が小赤斑を狙って観測を行っておられますが、なかなか条件に恵まれず、思った画像が得られずに苦労しているようです。そうした中、やはり沖縄の宮崎勲氏の観測画像は群を抜いています。本当に素晴らしい。


私がこの宮崎勲氏の画像を詳しく見た印象では、小赤斑はまだ大赤斑の南西(右上)に残っており、非常に伸び切った姿をしています。大赤斑の周りの強烈な渦に巻き込まれても、小赤斑は予想通り細く伸び切って渦の勢力を保っているようです。


このまま伸び切った姿のまま、大赤斑の周りを高速で進むと思われます。はたして大赤斑の前方に再び姿を現すでしょうか?


宮崎勲氏のホームページ
http://www.ii-okinawa.ne.jp/people/miyazaki/planet/index.html

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2008/07/02 17h03mUT [Akira Kazemoto, Japan]

風本です。宮古島観測所からの報告です。


この日は透明度はいいのですがシーイングは良くありませんでした。おまけに2時を過ぎて雲が広がり、さらに雨になってしまいました。せっかく小赤斑が観測できるタイミングだったのですが残念です。


02時03分(JST)の画像を強調・拡大してみました。シーイングがもう一つで詳細が分かり辛いですが、大赤斑の南にかすかに小赤斑が進んでいるように見えます。



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2008/07/01 12h16mUT [Isao Miyazaki, Japan]


Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

宮崎勲氏はまだ低空の木星を狙っているが、詳細は不明。


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2008/06/30 15h41mUT [Akira Kazemoto, Japan]

風本です。宮古島観測所からの報告です。


シーイングが良く50センチの能力を十分に発揮できていると思います。本土ではとても得られない画像ではないでしょうか!これからも出来る限り遠征して観測報告していきます。


ちょうど大赤斑と小赤班が見えています。この後の動きがどうなるのか注目です。



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2008/06/30 15h29mUT [Hideo Einaga, Japan]


2008/06/30 15h28m46s(UT)

永長です。

薄雲が広がってきて、今観測を終えました。

速報として画像を送付します。

STrD-2はGRSに乗っかかってきました。

シーイングの関係でしょうか、南側の輪郭が薄くなって写っています。


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2008/06/30 15h25mUT [Isao Miyazaki, Japan]


Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

宮崎勲氏の高精細画像では、小赤斑が大赤斑の周りの巨大な渦に乗って、南側に移動してきた。


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2008/06/29 00h26mUT [Gabriel Medina, Spain]

Gabriel Medina氏の画像では、小赤斑はSEBsを離れ、いよいよ大赤斑孔内に侵入したように思われる。オレンジ色は保たれ、前後を暗部にはさまれているので、小赤斑は比較的見やすい。6/28UTのVittorio Amadori氏の画像とは28分しか違わない。


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2008/06/28 23h58mUT [Vittorio Amadori, Italy]

Vittorio Amadori氏の画像では、オレンジ色のLRSがいよいよ大赤斑孔内に侵入したように思われる。6/29UTのGabriel Medina氏の画像とは28分しか違わない。


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2008/06/28 13h54mUT [Isao Miyazaki, Japan]


Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

宮崎勲氏の画像では、小赤斑が大赤斑孔内に進み、大赤斑と接するほどに接近している。小赤斑を取り囲む暗いリングははっきりしている。


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2008/06/27 17h59mUT [Isao Miyazaki, Japan]


Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

6月23日に大赤斑直後に確認されてから、明瞭な小赤斑の画像が得られなかったが、宮崎勲氏の高精細画像では、小赤斑が大赤斑孔にまさに入ろうとしている。


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2008/06/23 14h54mUT [Hideo Einaga, Japan]

永長英夫氏の高精細画像で、小赤斑が明瞭にとらえられている。これで小赤斑はこのまま前進を続けて、いよいよ大赤斑との会合を迎えることが明らかになった。


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2008/06/21 23h47mUT [Paolo R. Lazzarotti, Italy]

Paolo R. Lazzarotti氏の高精細画像では、小さいながらもオレンジ色のLRSが大赤斑孔の肩に明瞭に見える。


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2008/06/20 17h43mUT [Isao Miyazaki, Japan]


Copyright(C) 2008 Isao Miyazaki, All Right Rerserved.

宮崎勲氏の高精細画像では、小赤斑が大赤斑後方に到達し、大赤斑の周りの高速の渦である大赤斑孔にまさに入ろうとしている。


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2008/06/20 07h36mUT [Don Parker, USA]

Don Parker氏の高精細画像では、LRSが明瞭にとらえられている。さらにメタン画像では、LRSが大赤斑やSTB白斑BAと同様に明るいことから、LRSは今だに高層まで吹き上げている渦の勢力を保っていることがわかる。




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2008/06/15UT [Yuichi Iga, Japan]

大赤斑に接近しているSTrZのOval-2(STrD-2由来の小赤斑)は、6月13日に多くの観測者が報告されていますが、永長氏・熊森氏の画像では明瞭なオレンジ色のドーナツ状白斑としてとらえられています。経度は熊森氏の画像からII=146.0度と、大赤斑(II=125.4度)の直後にまで迫り、大赤斑後方の気流の影響を受ける領域に到達しています。



小赤斑の経度方向の長さ変化
6月13日までの画像からの計測値

実は、Oval-2にはすでに重大な変化が起こっています。今シーズン初めである2月26日には長さが3.6度の小赤斑でしたが、その後赤味が増すと同時に長さが5月13日の4.6度まで大きくなっていました。この頃を最大として、その後は次第に長さが縮小していて、5月30日に3.5度、6月3日に3.6度、そして6月13日には2.5度まで小さくなってしまいました。これはかなり急激な縮小であり、このままの傾向が続けば、6月21日頃には2度を切り、今月末には1度よりも小さくなるかもしれません。もしかすると、今月末の大赤斑接近までに、小赤斑は消失するという可能性がでてきました。


最近の観測では、6月14日にPretorius氏・阿久津富夫氏の画像で、6月16日に熊森氏・畑中氏の画像で、Oval-2が確認されています。条件が良くなければ、ますます小赤斑の観測は厳しくなっていますが、まだ小赤斑は赤味を保っているようで、渦の勢力はまだ強いものと思われます。何とか小赤斑の形を保ったまま、大赤斑との接近を迎えてもらいたいと願っています。


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