1997年5月17日の木星

安達 誠・浅田秀人・伊賀祐一・奥田耕司・吉田裕市


5月17日(日本時間5月18日)に、現在注目されているSTrZの白斑と大赤斑(RS)が3人の観測者によって同時に観測されました。それぞれの観測者の報告は多少食い違っている点もありますが、STrZの白斑はまさにRS Bayに取り込まれようとしている様子がうかがえます。

安達 誠 (310mm Newtonian, drawing)


1997.05.17 19h02m(UT)
I=291.9 II= 23.1
GRSの北側には白斑が3つあり、1つと2つに分かれている。前方の白斑はGRSの前端らしき暗部とほとんど同じ経度に見える。後ろの2つは少しでも気流が乱れると1つの横長の白斑に見えるが、良く見ると明るい部分が2つになる。これがもともとのhollowだと思っている。前端の白斑は明るさはhollowより低く、見にくくなっている。

NEBsのCM後方は南組織がはっきりせず、shadeされている。また暗いbeltはNEBの中央近くに緯度が変わり、全体的にNEBがボケた感じになっている。NEBsは細いひも状を呈していて、CM付近にnotchがある。

一応、GRSの付近の部分スケッチをとった。気流は5/10でしたからまずまずと言うところか。今後の白斑の動きの予想図を掲載しておく。


大赤斑付近の詳細図

今後のSTrZの白斑の動きの予想図


伊賀祐一 (280mm Schmidt-Cassegrain, drawing)


1997.05.17 19h12m(UT)
I=296.5 II= 27.9
STrZの白斑はどこにあるのかわからない。SEBs Bayの肩にあるような気もする。
大赤斑の左下は明るく、白斑と一体化しているように見える。
RS本体の赤味を感じる。
NEBnのω2=28にnotch(ほとんどNEBに含まれているが、白斑の北側がわずかに開いている)があり、さらにその20°ぐらい前方にもnotchが見られる。
NTBはCM付近までが濃く、しかもNTBnが濃い。
NNTBに2個の濃化部が認められる。


吉田裕市 (150mm Newtonian, drawing)


1997.05.17 18h40m(UT)
I=278 II= 10


浅田秀人 (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)


WS-STrZは5/17は眼視でも白斑、bayとも存在が確認できました。WS-STrZは大赤斑の直前に写っています。どちらかというとRS-bayが左に延びるている感じでした。


奥田耕司 (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


1997.05.17 18h07m(UT)
I=256.4 II=348.1
R1 Filter

1997.05.17 18h31m(UT)
I=271.0 II= 2.6
R1 Filter


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