ALPO-Japan: Jupiter Section (October 18, 1998)

1998年10月18日の木星

伊賀祐一・池村俊彦・小山田博之・堀川邦昭


October 18, 1998

●概況
台風10号が通過した後の観測です。大赤斑の前方から伸びるSTrZのDark Streakですが、池村氏のNo.88でSTrZを細くBelt状に伸びているのが良く分ります。伊賀の画像No.67はその前方の経度ですが、このStreakがさらに前方に伸び、II=326度付近のSTBに合流しているようにも見えます(※安達氏の9月7日のNo.77のスケッチ参照)。このままの状況が続くと、STrZ DislocationあるいはSTrZ Disturbanceに発展する可能性もありますので、注意して観測してください。

EZnのI=275度付近に大きなPlumeが見られ、その前後のNEB内をRiftが走っています。

堀川氏の観測では、BEは白斑として見えない状態です。


堀川邦昭 K.Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)


No.79 1998/10/18 09h16m(UT)
ω1=139.7 ω2=234.2
Seeing:4/10 Transp.:5/5 x200
  • BEは全く確認できず
  • FAは周囲を暗部に囲まれ明るく目立つ、また前方のSTB暗部先端も白斑状に明るい
  • SEBには明瞭な白斑なく、ぼんやりとしたSEBZが後方へと伸びている
  • NEBは北部がかなり濃く目立つ
CMT観測 (時刻はUT)
264. 1998/10/18 09:28SEBS DPROJC2241.4
265. 1998/10/18 09:46STB DSECTP2252.3
266. 1998/10/18 09:55NEBN DBAR C2257.7
267. 1998/10/18 10:08STB WFA C2265.5


No.80 1998/10/18 12h54m(UT)
ω1=272.6 ω2= 5.8
Seeing:4/10 Transp.:5/5 x200
  • dark streakの先端は細く淡くなってSTrZに同化しており、位置を特定できないが、ω2=350°よりも前方にあるようだ
CMT観測 (時刻はUT)
268. 1998/10/18 12:46EZN DFESTC1267.8
269. 1998/10/18 13:27EZN DFESTC1292.8
270. 1998/10/18 13:35SSTB WSPOTC2 30.7


伊賀祐一 Y.Iga (280mm SC, Digital Still Camera NEC Picona)


No.67 1998/10/18 11:23(UT)
I=216.8 II=310.7
Seeing:5/10 Transp.:4/5 LV15mm

強調画像
  • STBはBeltとして見えているが、中央付近のII=316度にGapがあり、STBを分断している。このGapより後方のSTBは次第に南にシフトしている。
  • 大赤斑から前方にあるSTrZのDark Streakの前端が、南にシフトしてSTBのII=323度に合流しているように見える。
  • SEBは南半分が赤味が強く、SEBcが見えている。


池村俊彦 T.Ikemura (310mm Newtonian, Digital Still Camera NEC Picona)



極端な画像処理を適用(伊賀)

No.88 1998/10/18 13:46:24(UT) I=304.7 II= 37.7 III=162.4
De= +2.1゜E.Dia=47.78"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
1゜プリズム 合成 F33
NEC PICONA 1/7秒 3枚コンポジット

  • 台風通過直後で、シーイング最悪。
  • 大赤斑前方のストリークとその北側の白斑列が写りました。
  • この白斑列が少し立派になってきたような気がします。



極端な画像処理を適用(伊賀)

No.89 1998/10/18 13:58:38(UT) I=312.2 II= 45.1 III=169.8
De= +2.1゜E.Dia=47.78"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
1゜プリズム 合成 F33
NEC PICONA 1/7秒 2枚コンポジット

  • この画像ではストリーク北側の白斑列は確認できません。


小山田博之 H.Oyamada (200mm VISAC, Drawing)


No.36 1998/10/18 13:24(UT)
I=290.9 II= 24.0
Seeing:5-6/10 Transp.:6/10

No.37 1998/10/18 14:26(UT)
I=328.8 II= 61.4
Seeing:3-4/10 Transp.:5/10
  • NTB:幅をもって見え、所々濃化している。特に体系II=50°〜70°付近で濃くなっている。
  • NEB:NEBnは全般に濃くなっている一方、NEBZからNEBsにかけては淡くなっている。NEBsからは、EZに向かってフェストーンがいくつか見られる。特に体系I=0°付近のものが非常に目立つ。
  • SEB:大赤斑の前後で幅が異なっている。大赤斑の前方では、幅が狭くなっているのに対し、後方では幅が広くなっている。
  • 大赤斑:南縁に沿ってアーチが走っており、赤斑孔状になっている。赤斑孔内では、南側ほど濃くなっているが、色はよくわからない。一方この赤斑孔から先方にDark Streak が体系II=0°付近のSEBs 上の白斑付近までのびているように見える。


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