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ALPO-Japan Meeting 2002/07/20(土)例会を行いました。


2002年07月20(土) 13時〜17時 安達氏宅

    (滋賀県大津市本堅田4-8-11)


    月惑星研究会関西支部通信  No.34  2002,07,21

 今回の例会は、前回の例会の時の打ち合わせのように土曜日の開催となりました。過去初めて
の試みですが、参加者は思いきり少なく、7名となりました。また、今回は金星以外に観測対象
がない状態で開店休業状態の方がほとんどで、最新の話はありませんでした。しかしながら、内
容の多い実のある例会ができました。
 和歌山からは、木星会議の時に参加された大橋さんがビジターとして、例会にお越しになりま
した。ひさしぶりに女性の参加があり、和やかな雰囲気になりました。

参加者 中西/大橋/伊賀/小嶋/河原/奥田/安達 以上7名

1 近況と自己紹介
伊賀: 木星観測を中心に観測活動をしているが、現在は見えていないため、お手上げ状態である。
  最近になって、池村さんが年内は東京に転勤になり、ホームページの更新をする必要が出てき
  ている。そろそろそれにかからないといけないと思っている。しかし、仕事は相変わらず忙しい。
  たくさん宿題を抱えている。昨晩になってようやく天文ガイドに原稿を送った。支部の皆さん
  の画像やスケッチをのせた。楽しみに待っていてほしい。

中西: 1年間休んでいたが、ひさしぶりに参加した。人が少なくて驚いている。(今回は特別っ
  !byあだち)28cmのSCを使っていたが、限界を感じて嫌になって、現在河原さんに31cmを
  磨いてもらっている。何とか来年の火星はこれで頑張りたいと思っている。良い画像を得るた
  めには今の条件の中では光量をあげることによってシャッター速度をあげる方が得策だと考え
  たからだ。
河原: 木曽川の河口近くに住んでおり、風が吹きシーイングの悪いところに住んでいる。従って
  中西さんと同じく、光量をふやす方向で進めている。12月までに31cmを2面研摩すること
  にしている。そのうち1面は自分で使うつもりだ。
小嶋: オフシーズンなので惑星の形をしたペーパークラフトで楽しんでいる。宇宙開発事業団の
  HPに出ているので、それをダウンロードして作っている。水星から冥王星まで全部揃っている。
  多面体の形ながら非常によくできている。
大橋: ビジターで和歌山から参加した。所属はかわべ天文友の会である。海南駅9:39にて参加した。
安達: もちろん開店休業状態。昨年は腰を傷めた関係で、活動が出来ず、ついに100枚には届
  かない最低の状態になった。現在、来年の火星の準備を考えており、今日はその計画や方針を
  発表する。
奥田: 自宅からひがしがわ50mのところに4車線の道路ができることになった。これから先、
  条件が厳しくなる。第2名神高速道路に接続しているため、交通量が増えるだろうし、気流・
  振動も心配だ。照明もできて、星が見えなくなるかも知れない。(それを聞いた参加者からフ
  ルカットオフの街灯をつけるように要望すべきだと提案がたくさん出た。)

2 木星会議の報告(小嶋)
 詳しくは別途にて発表されるが、流れの解説と、感想などが報告された。全国から23名が参加
された。1日目は木星のまとめ、たくさんの観測者が撮像された情報の利用についての討論が行われ、
懇親会、観望と移った。懇親会では新宮市の田阪さんが花粉症に効くと言うワインを持ってこられて
みんなで賞味したこと、観望会では金星と恒星を雲の中から観望したことが報告された。田部さんの
話の中で、大赤斑が帯状流のちぎれたものかもしれないとか、カッシーニの見たものは大赤斑じゃな
かっただろうという話に興味があった。
 2日目は、1日目に引き続き、画像利用の討論会の続きのあと、研究発表会が行われた。最後に来
年の木星会議は福岡で行うことを決めて閉幕した。
 また、木星会議に先立って1時間程安達が一般向けの公園を行い、「木星ってどんな星?」という
テーマで話を行った。一般の方は少なかったものの、役場からたくさん聞きに来られ、最終30人く
らいになった。

3 木星について
 オフシーズンであるため、伊賀さんから、木星会議の時に発表されたものの紹介があった。
おおよそ次のような内容であった。

◯NEBの活動について
 NEBは現在拡幅期を過ぎて衰えつつあるが、次のようなものが観測されている。
 1988年/1996年/2000年にNEBは拡幅した様子が観測されている。1999年から
2000年はとことどころに拡幅部があり、2000年から2001年には リフトの活動が活発だった。
そして2001年から2002年に掛けて幅が広がった。この間、NEBにバージやノッチがたくさん
出現し、面白い変化を見せた。支部に集まってきた画像を測定し、位置を割り出すと面白い。
 支部には現在国内かrは25名の方、海外からは8名の方々から報告が寄せられている。観測を整
理するとたくさんの展開図が作られた。合計46枚もの展開図を得ることができた。これらを基礎
資料として使い分析した。

・バージ
  今シーズンになってから移動の速度が変わったり、合体したものが見 られた。
・ノッチ
  先シーズンからは1個繋がっている。(1998年から存在しているもの)このノッチに面白い
  動きが認められた。
・リフト 
  2000年と2001年との間にはリフトに大きな差が現れてきた。現在は元に戻りつつある
  時期になっているらしい。
 
 第1期
  2001年の10月頃はリフトにおされて、ノッチやバージがそれにおされて移動し、加速され、
  そのため、2つのバージがマージした。この現象は詳しく捉えられた。

 第2期 
  白斑ができてあちらこちらにリフトができた。

 第3期 
  リフトが動いてきてバージが消失して行った。リフトガぶつかるとバージが消えるが、それぞれ
  の開店方向に関係ありそうだ。拡幅部の衰退期にあたる。

◯BAが大赤斑を通過するとき
 BAの幅が広がったり、見えにくくなり、測定しにくくなったが、大赤斑に近付くときは、今までは
 加速されるように言われていたが、今回はむしろその逆になった。

◯SSTBの4つの白斑
 大きさが3度くらいしかない小さな白斑のうちの後方の2つが合体した。合体するときは2つの
白斑がお互いを回りあう様子が捉えられた。また、2つの白が接近すると、2つの白斑の間にさらに
小さな白斑が発生するのが認められた。
 この白斑は、肉眼では非常に捉えにくく、画像で詳しく捉えられた。

◯ムードン天文台の昔の画像
 2700枚に及ぶ画像が公開され、1890年以降の木星の様子が一望できる。全部ダウンロードし、
CDに落とした。現在土星をダウンロード中で、火星を入れたら、年末くらいには配付できそうだ。
 参加者で鑑賞会を行った。大赤斑が非常に大きかったことや、永続白斑も非常に大きかったことが確認
された。

4 火星

◯2001年の火星面の様子から
 火星面に発生したダストストームによって火星面の様子が大きく変化しているようだ。ダストストーム
 の晴れてきた頃からの支部に集まった観測から、池村さんが新しいシミュレーションの元画像を作成さ
 れている。これから、そのシミュレーション画像を修正していくが、現在、面白いことが分かったので
 報告する。
 
 今回見られた変化を整理していると1973年に起こったダストストームでダエダリアに大きな暗斑が
できたときの様子に酷似している。
・ダエダリアの東の端が途切れて、南北に広がっていること。
・ソリスの西側が消えていること
・オロラが肥大していること
・シルチスが細くなったこと
これらは、1973年の時と全く同じである。違うところはエリツラエウムが今回は濃くなったこと。
1973年の時はヘレスポントスが淡くなったことだけである。これらは、大規模なダストストームの時
には良くある変化だと考えられ、それぞれは地形の影響を大きく受けていると考えられる。
(このレポートは別途ホームページに掲載する)

◯2003年の観測計画から
 このレポートも別途ホームページに掲載するが、簡単にしるすと次のようになる。

・シルチス
 細くなったのは砂が覆ったからだろう。ならば、高度の低い部分に横縞が見えるのではないか。
・ダエダリア
 東の端を注意したい、高地によってブロックされたあとが観測できるはずだ。
・ソリス
 元の位置から移動しているのか、西側だけが見えなくなったのかを確認したい。
・オーロラ
 かなり肥大しているが、どの程度のものか。
・低コントラストの火星面か?
 ダストストームが完全におさまっているかどうかを確認したい。前回の同じ大きさの画像を比べてどの
ようになるかを確認してほしい。同じ大きさで、同じ場所だったら、生画像から確認できるかも知れない。

 場所別の観測対象は以上のようなものになるが、撮像についての注文としては、ブルーなどフィルター
を使って撮像するときは、波長幅とピークをデータの中に表記してほしい。科学的なデータとして使えな
いから。

 以上のようなことを発表した。極冠のことなどの情報は次回の例会までに整理しておくことにして今回
は見合わせた。
2003年 火星観測計画(日本語版) . . 2003 Mars Observing Program (English Edition) 20 Jul.2002

5 事務連絡
◯木星会議の収録
 まだまだ進んでいない。安達と伊賀で原稿の未提出者に督促状を送ることになった。
                     第26回木星会議模様
◯木星の観測のスタートは
 おそらく8月10日くらいが最初になるだろう。SEBがあるか。NEBの幅がどうなっているかに注目して
観測したい。
◯例会の土曜開催について
 今回は参加が少なかったので、次回はアンケートを出してきめることになった。10月の第3にするか、
11月のはじめにするかのどちらかになる見込。

The A.B.S.(The Astro Bakuro service)
 ロジャース先生が日本に来られます。仕事で来られ、京都に来られます。事前に通告があり、安達に会
いたいからと言うことでした。しかしながら、安達は英語音痴なので、伊賀/堀川の3名で会うことにな
りました。仕事の関係でスペイン人の人と同行され、天文屋との交流は時間がないとのことで、このよう
なことになりました。会いたい人には申し訳ないのですが、お許し下さい。

以上

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月惑星研究会関西支部支部長(東亜天文学会理事・企画部長)
    安達  誠
   520-0242  滋賀県大津市本堅田4-8-11
   @「jh3svw@yahoo.co.jp」@
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