赤外カットフィルターの改造

伊賀祐一

2003/02/23


ToUcam Proのレンズ・ユニットに赤外カットフィルターが装着されています。ところが、このレンズ・ユニットから簡単に赤外カットフィルターを取り外すのは難しいようです。別にCCD用の赤外カットフィルターを購入して光路の途中に入れてやるのが良いのですが、ここではToUcamのレンズ・ユニットをばらす事にしました。

    必要な工具
  • 金切りノコ
  • 万力
  • ヤスリ
レンズとピント調整ゴムリング レンズ・ユニットを取り外します。右のオレンジ色のゴムリングはピント調整用のものです。
レンズ・ユニットのCCD側のガラス(画像では赤く写っている)が赤外カットフィルターです。このフィルターだけを外そうとしましたが、接着剤で固定されています。

そこで逆にレンズ部分を外そうとしましたが、こちらも外すことができませんでした。

この際、ToUcam Proは惑星専用にしようと考えて、レンズ・ユニットを改造する事にしました。

レンズ・ユニットから赤外カットフィルターだけを残して、レンズ部分を切断する事にしました。万力にレンズ・ユニットをはさみます。金切りノコでぐるりと切断をします。レンズ部分に当っても仕方ないですね。

赤外カットフィルター部分だけを残して切断したレンズ・ユニット。最後にToUcam Proに装着するために、ドライバー用のミゾを入れました。

※赤外カットフィルター上のゴミは撮影時に非常に邪魔です。丁寧にゴミを取り除いてください。

完成した望遠鏡アダプターと赤外カットフィルター
実際に赤外カットフィルターを装着している様子。

耳寄り情報:赤外カットフィルターの簡単なはずし方

豊福隆夫さん(福岡星の会)
月惑星研究会関西支部のHPを興味深く見させていただいております。とくに「Philips ToUcam Proで惑星を撮る」の記事は、今年の火星大接近を控え、非常に有用な情報となっております。

CCD撮像に関しては全く経験がなく、今年の火星の接近に際しては、撮像は半ば諦めかけていましたが、貴研究会の記事がきっかけとなって、この度私もPhilips ToUcam Proを入手しました。

早速、IRカットフィルターの取り外しにかかろうと思いましたが、福岡星の会の仲間から、「フィルターを清掃しようとしてアルコールで拭いていたら、フィルターが”ポロッ”とはずれたと言う噂があるよ」との情報を聞いていたものですから、「ものは試し」と思って、ToUcamのレンズユニットを丸ごとアルコールの中に水没(?)させてみました。

すると、約20分後、なんと!フィルターがきれいに剥がれていました。アルコールですから、レンズには何ら悪影響はなく、そのまま再利用も可能です。当然ながら、フィルターも傷一つなく取り出せましたし、何より、万力や金切り鋸を準備する必要がありませんでした。

このように、ひょんな所から楽な方法にたどり着くことができましたので、参考までお知らせします。

レンズ鏡胴を切断しないでも外れます
レンズの取り付けネジ側をつぶさないように木などではさんで万力に取り付けます。レンズの前方部分をペンチなどで強く回すと、意外に簡単にフード部分を取り外せます。あとは、レンズを固定している金具を外してやると、レンズだけを簡単に外すことができます。最後端の赤外カットフィルターだけを残せば良いわけです。(メールで情報をいただきましたが、お名前を忘れてしまいました)

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