天文ガイド 惑星サロン2013年9月号 (No.132)山崎明宏

惑星向きの動画カメラA

前回に引き続き、惑星向きの動画カメラを紹介します。今回のカメラは、 ZW Optical社のASI120MM/MCです(MMはモノクロ、MCはカラー)。最大の特徴は CMOSのイメージセンサー、Aptina Imaging製のMT9M034が使用されている点です。 従来のCMOSセンサーはノイズが大きく、過去の評価ではゲインをあまり上げられ なものが大半で、太陽や月の撮影では問題ありませんが、惑星撮影にはあと一歩 という印象でした。しかし、このカメラはCCDと遜色ない感度・ノイズ特性を持 ち合わせています。ようやく、本格的な惑星撮影に使用できるCMOSカメラが登場 しました。残念ながら、今のところ日本での代理店はなさそうです。メーカのホ ームページに載っていたONLINEショップでは、送料込で$346(モノクロ)で販売し ています。特徴は、

・XGA(1280×960)仕様なので、月・太陽にも向いている。
・ローリングシャッター。
・ピクセルサイズが3.75μmなので、拡大率が小さくてすむ。
・USB2.0接続なので、取り扱いが容易。
・ROI(撮像範囲を絞る)により、カタログ値で100FPS以上。4年前のPCで70FPSま では動作確認。
・実感度がSONY製CCD-ICX445(モノクロ、ピクセルサイズ3.75μm)と同等。
・付属品が豊富な上に低価格(f=2.1mm CCTVレンズ、1.25"-IRカットフィルター、 Φ31.7mmスリーブが標準で付属 − 図参照)。

また、この原稿を書いている間にモデルチェンジされ、オートガイダー用の端子 が追加されました。有名なPHDガイディングソフトとの組み合わせで、オートガ イドが可能になっています。

[図1] ASI120MMと付属品

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