天文ガイド 惑星サロン
2018年2月号 (No.185)
三品利郎

火星に追いつけ

今年は7月31日に火星が5760万kmまで地球に大接近します。 これだけ近くなるのは2003年以来です。 2月にはまだ火星は地球から2億4千万kmの彼方にあります。 5月中旬に1億kmより近くなり、7月上旬には6700万kmになります。

4次元デジタル宇宙ビュワーMitakaで火星や地球の公転を再現した動画が、国立天文台の「NAOchannel」で公開されています。 2015年10月から2021年12月までが1分35秒の動画になっています。 2016年5月31日、今年の7月31日、そして,2020年10月6日の三回、火星が地球に接近します。 火星と地球が接近すると、動画がしばらく停止してから再び動きだします。 35秒から2018年になります。 2月は36秒あたり、7月31日の大接近は43秒です。 今年の初めころから見ていると、太陽を巡る軌道の最も外側を行く火星を一つ内側から地球が追いかけ追いつき、そして追い抜いてゆく様子が見られます。

動画の再生速度を遅くしたければ、設定のアイコン(動画画面の右下にある歯車のアイコン)をクリックして速度を選び、0.75、0.5か0.25にします。 1.25や1.5を選ぶと再生速度が速くなります。 パソコンならばYoutubeのショートカットキーも使えます。 動画の再生中に「K」を押し動画を停止させ、ピリオド「.」を押すと一コマ進み、カンマ「,」を押すと1コマ戻ります。 この操作で任意の日の地球と火星の位置を知ることができます。

[図1] Mitakaによる火星と地球の公転
4次元デジタル宇宙ビュワーMitakaによる火星と地球の公転を再現した動画の画面 (https://www.youtube.com/watch?v=XFHvfAW72fo)

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