天文ガイド 惑星サロン
2022年5月号 (No.236)
伊藤了史

私の観測環境など

6年前、自宅7階建てマンション屋上(地上高約21m)の防水工事を機に、ニッシンドームのスライドルーフ観測室を設置、ビクセンセンサー赤道儀に中古のケンコー25cm反射鏡筒を載せ、主斜鏡を中古で入手した英国ORION製に入れ替えて惑星撮影を始めました。

その後、30年以上死蔵していたタカハシJP赤道儀をオーバーホールに出し、NS企画のNS-5000マイクロステップ駆動に変更すると、以前より安定した結果が得られるようになったので、昨年夏に中国Sky-Watcher製の30cm反射鏡筒に口径アップしました。 姿勢差により光軸がズレる問題がありましたが、接眼部側に鏡筒バンドを追加してステーを取り付けるとかなり改善しました。 光軸に敏感な土星は、ADC調整後、近くの恒星で確認・調整を行っています。

高解像を追及できるRGB撮影やLRGB合成に憧れるものの、手間の掛かる作業を続ける自信は無く、撮影ではZWOのASI290MCカラーカメラを使っています。 撮影開始はモニターを見て気流の良くなるタイミングを待ちます。 ピントは主流?の電動ではなく、手の感触で判断し易い手動で行い、撮影中も気になれば動かします。 主鏡セルに取り付けたファンは回したままです。 De-rotation処理を前提に火星と木星は60秒、土星は90秒を5〜12回位を1セットとしています。

先達の方々が開拓された撮像と処理手法により、詳細な惑星画像が得られる時代となりました。 私の観測所は視界の開けた恵まれた環境ですが、早起きは苦手な為(汗)、出来る範囲で夕方から夜半過ぎをメインに観測を続けていければと思います。

[図1] 昨年導入したSky-Watcher製の30cm反射鏡筒

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