天文ガイド 惑星サロン
2022年11月号 (No.242)
鈴木邦彦

ミニ旋盤で天文機材工作

惑星観測に限らず、新しい機材を自分の望遠鏡に組み込みたいとき、メーカー製の既成部品をあれこれ探して組み合わせれば、だいたい目的に合わせることできます。 しかし、特殊な規格やサイズの微妙な過不足、さらに既存の製品にない部品や装置を考案して形にしたいと思った時には、現実にはなかなか難しいものです。

中学の頃、初めてタップやダイスでネジ切りができて感動した私は、より大径のフィルタネジなどはどうやって作るのかに興味が沸き、それが旋盤という機械でできることが分かると、その技能をいつか手に入れたいと思っていました。 ようやく30代後半の2000年に部屋の一角にミニ旋盤を設置して夢を実現することができました。

最初はド素人の旋盤作業なので未熟な仕上がりでしたが、経験を積む毎に各種加工が可能になっていくのがとても面白く、自分用のカメラアダプターや電動フォーカサー、学校の授業で使う実験装置などを作ってきました。 数年前に月惑星研究会の例会で紹介したところ、いろいろな方から工作依頼がくるようになりましたが、思いもよらない工作内容が多く、その都度、加工方法をあれこれと考えながら新しい経験をさせてもらっています。

「世の中にない部品をつくる」面白さと、技量を上げていく奥深さという点で、金属工作は惑星観測とともに、長くつき合える趣味だと思っています。

[図1] ベルト駆動の電動フォーカサー
「接眼部を送るので、設計からすべてお任せします」と依頼されて製作しました。

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