土星環のハイリゲンシャイン(Heiligenschein)現象について


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Saturn Heiligenschein Report by I.Takimoto



Saturn Heiligenschein Report by I.Takimoto
月惑研究会関西支部の例会時に、上記ハイリゲンシャイン現象について柚木氏から発表があり、
私自身の観測での土星の環と本体の明るさ比較を画像から行いました。

(惑星ガイドブック2(誠文堂新光社)P282〜P283の記述から転記。)
土星のリングは、衝の頃に一段と明るさが増すことが知られている(ハイレゲインシャイン現象)。
これは、適正露出で撮影された写真なら割合はっきりと写るようである。渡辺正明氏の土星写真
(18cm反射)をマイクロフォトメータでネガ濃度を調べてみたのが(図6)だが、土星本体に比べて
リングの明るさが変化しているのがよくわかる。

(惑星ガイドブック2(誠文堂新光社)P181〜P182の記事から転記。)
衝のころ環が急に明るくなるという現象は多くの人々により観測されており、ゼーリガー
(H.von Seliger 1840〜1924)によれば、衝ではちょうど太陽の光が当たっている方向から見ること
になるので、環を構成している粒子が互いに影をつくらないためだとされており、ハイリゲンシャイン
効果と言われる。EZの明るさなどと比較して記録をとると良いと思う。

<私の観測からの状況>
私の観測画像を画像処理ソフトのステライメージ4の2Dグラフを使って調べてみると、割合シーイング
が良かった昨年の10月24日(UT)は完全に土星本体の明るさがリング(環)を上回っているが、
今年1月17日および2月1日(いずれもUT)の画像を見るとリングの方が土星本体の明るさを上回
っている。さらに良く見ると、1月17日よりも2月1日の方がリングの明るさが弱まっているようです。
しかし、依然として土星本体よりもリング(環)の方が明るい。

<柚木氏および福井氏の報告について>
なお、柚木氏からの1月17日の観測報告に上記の現象を捉えた様子が出ているので画像の参照を願います。
また、福井氏からは、メーリングによって月惑研究会関西支部の皆様に伝えられているとおり、
今回の衝は特別なもののようで、太陽とほぼ正反対に位置し、土星から見ると地球の日面通過に
なる衝とのことでした。これは1990年以来のことで、次回は2020年まで無いとのこと。
その他、支部例会(2005年1月30日)で、柚木健吉氏から発表がありました。
なお、この現象は、衝効果(Oppsitin effect)の方が良いとの意見もあったようです。

[Ayauta-gun Kagawa-Prefecture Japan] 
≪香川県  綾歌郡  瀧本郁夫≫

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