天文ガイド 惑星サロン2007年4月号 (No.55)安達 誠

南熱帯撹乱を観測しよう

今年になって現れた南熱帯撹乱は、倍率が150倍位あれば見ることができます。倍率だけではなく、光学的な性能が良くないと見えませんが、今回の現象は、久しぶりに小さな光学系でも観測できる面白い現象です。この機会に、ぜひ木星の縞模様の観測をしてみましょう。

観測するときは、望遠鏡がいりますが、記録用紙も大切です。14:15の楕円形の観測用紙を用意しましょう。木星は高速で自転しているため、円形には見えないのです。

100倍の倍率があれば、木星に縞模様の見えることは良く知られています。倍率を上げても良いようなら、ぜひとも150倍くらいに上げてみてください。撹乱の起こっている面が地球のほうに向いていれば、図のように、見えてきます。無理に細かく見ようとせず、黒いでっぱりがどこに、どのくらいの大きさで見えるかを記録してください。

いざ、描こうとすると、場所や形をしっかり見ないと描けないことに気がつくことでしょう。それがとても大切なことなのです。しっかり見えるまで、紙には記録しないようにしてください。

観測したら、翌日に月惑星研究会関西支部のHPの木星のページを見てください。きっと、あなたと同じ時間に画像を撮影した人がいると思いますよ。怖がることはありません。どんな名人でも最初はみんな初心者だったのです。違っていて当たり前なのですから。画像と見比べて、どう違うか、それを次の観測に生かしてください。慣れてくると、どんどん分かるようになっていきます。これが、観測の醍醐味です。

画像6 口径8cmでも観測できます

撮影/(右)F.Carvalho(ブラジル、18cm反射)

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