天文ガイド 惑星サロン
2023年9月号 (No.252)
鈴木邦彦

野ざらしの赤道儀カバーの製作

日々の惑星観測では、極軸合わせの手間を省くために赤道儀を設置したまま運用されている方が多いと思います。 私も観測室を持っていないので、鏡筒だけ室内に保管、観測時に庭の架台に取り付けて撮影するスタイルです。 現用の架台は1990年に中古で購入した高橋製作所160mm(J型)赤道儀なのですが、20年以上ずっと庭で野ざらし状態です。 こうなると重要なのが風雨から架台を守ってくれるカバーです。 いろいろ試した結果、今は「ターポリントラックシート」という商品を愛用しています。 ホームセンターで売っている軽トラの荷台のカバーで、薄すぎず重すぎずの生地で暴風雨にも耐えてくれます。

そのままではただのシートなので、カバーに仕立てます。 ロープ穴は切り取って必要な面積にし(経済的に2回分の2分割にしています)、裏面を天頂側で折って両サイド辺を両面テープ接合してから、一回折って両面テープで重ねた後、カシメ金具で固定して最後に裏返せば完成です。 費用は防水シート、両面テープ、カシメ金具代で6千円程度(2回分)、これで数年維持できれば安い投資です。 おかげで赤道儀は今も元気に動いています。

風雨や太陽の紫外線に日々さらされるため、表面がガサガサと劣化してきたら交換のサインです。 ある程度は補修テープで延命できますが、全面が劣化してきたら諦めて作り直すことにしています。 その分望遠鏡を守ってくれているのですから有難いものです。

[図1] 作り直した架台カバー

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