天文ガイド 惑星サロン
2021年1月号 (No.220)
石橋力

小口径での惑星観測

現在、惑星観測は20〜35cmの望遠鏡とPCカメラの組み合わせが主力です。 私もこの組み合わせで、普段31cmを使っています。

気流の悪い時に、同架の10cm反射で撮ったところ、思いの外、良く写りました。 どう見ても10cmの方が、良く写っています。 これは口径が大きくなるほど気流の影響を受けやすくなるためです。

気流が良ければ口径が大きい方が良く写りますが、10cm程度の口径でこの写りをコンスタントに撮れば、充分観測になります。

画像の処理はRegiStaxとステライメージを使っています。 画像が小さいと処理が強くなる様です。 RegiStaxのWavelets処理は、31cmの場合、1〜4を強さ40、50、50、40にしていますが、小口径の場合、1〜3で強さを20、30、20に押さえています。 ステライメージでは、マルチバンドシャープを使いますが、これも31cmよりも弱くしています。

撮像する時、最初か最後には、しっかり惑星を見て下さい。 画像処理は、目で見た惑星の少し先の見え方と思うところで止めて下さい。 不自然なコントラストにしないことが大切だと思います。

自分の望遠鏡は小さくて、惑星を見ても無駄と思っている方も、PCカメラは目で見える模様を一段引き上げ、楽しみを増やしてくれます。 是非、お試し下さい。

[図1] 悪気流下での口径による写り方の比較
逆に見えるかもしれませんが、左が30cm反射、右が10cm反射による同日の木星画像です。悪シーイングの時は、小口径の方が良い画像が得られるという一例です。

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