天文ガイド 惑星サロン
2022年3月号 (No.234)
鈴木邦彦

30年付き合いの望遠鏡

木星シーズンがまもなく終わります。 今季、月惑星研究会への報告画像数はシーズン後半の好天のせいもあり、300画像を超えました。

私の望遠鏡は20代後半の1990年に自作研磨した口径19cm、焦点距離1600mm、今となっては小口径のニュートン反射です。 中途半端な口径なのは、素材を丸めてもらったガラス屋さんから195mm径なら安くできるよ、といわれたからです。 松崎真空(現・ジオマテック)でアルミコートされたミラーは今も現役で、NTKの部品で組んだ鏡筒はアルミ製で割と軽く、庭に設置した中古の高橋160赤道儀に毎回載せて観測しています。

撮影スタイルはカラーカメラASI462MC一発撮りで、惑星スケッチの延長として捉えています。 拡大光学系は昨シーズンにバーロー系からアイピース拡大に切り替えました。 電動フォーカサー+ファン+ADC等、やれることはだいたいやったので、良気流下で得られる画像はほぼ回折限界に近づいています。 撮影間隔は1時間を基本とし、その合間に完成画像まで処理を済ませ、できるだけ多く撮影してさっさと月惑星研究会に報告しています。

口径の限界は感じていて30cm級への憧れはあるのですが、相棒のような望遠鏡との付き合いはこれからも続けていこうと思います。 何より、以前なら考えられない驚異的な惑星画像を手軽に記録できる時代を楽しんでいます。 (桐蔭学園高校物理科教員 横浜市都筑区在住)

[図1] 筆者と19cmニュートン反射

前号へ INDEXへ 次号へ