天文ガイド 惑星サロン
2025年4月号 (No.271)
石橋力

SL9の思い出(6)

シューメーカー・レビー第9彗星(SL9)と木星の衝突は、メディアでも話題になり、私の所にも衝突前にNHKが取材に来ました。

最初の衝突で、予想外に大きな黒い衝突痕が現れましたが、関西が先に梅雨明けしていて、関東は1日くらい遅かったと思います。 当時、惑星観測は主にフィルムで撮像をしていましたが、8mmビデオでも撮ることがあり、むしろ写真より模様は良く見えました。

木星を夕方の空でなるべく早い時間から撮りたかったので、8mmビデオに偏光フィルターを付けて、空を減光しました。 ただし、アナログのビデオから画像を作る事は出来なかったので、月惑星研究会の例会で、参加者にみてもらうことしかできませんでした。

その後、デジタルビデオで、静止画を作れるようになり、2014年頃にSL9のビデオをデジタルテープにダビングして処理、観測から20年を経て、ビデオ画像を静止画に出来ました。 図を見るとわかりますが、フィルム画像よりも細部が出ています。

SL9の衝突はもちろん眼でも見ましたが、フィルム、ビデオとその静止画と、いろいろな媒体で何度も楽しませてもらって、一番印象に残っている現象です。

SL9では見えなかった衝突時の火の玉は、2023年8月28日の閃光現象で見ることができました。

[図1] 写真とビデオ画像によるSL9の衝突痕
1994年7月20日の衝突痕。左はカラー写真で、11h09m20s(UT)撮影。左がL核痕で、右がG核痕。右は8mmビデオによる10h35m00s(UT)の画像。左にK核痕、中央にL核痕、右端にG核痕。

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