
シューメーカー・レビー第9彗星(SL9)の華々しい衝突痕の姿は、世界中を感動させました。 日本でも非常にたくさんの観測が行われ、そのまとめの会を開こうという機運が高まりました。 当時お元気だった佐藤健さんのお声がかりで、広島でまとめの会が盛大に行われ、たくさんの観測者が全国から集まりました。 私は、月惑星研究会のメンバーなど、声を掛けることのできた多くの観測者の衝突痕スケッチや写真をもとに展開図を作って持参し、皆さんに見ていただきました。
会が終わったときのことです。 岐阜天文台の正村一忠さんに声をかけられました。 「安達さん、皆さんの前では発表できなかったのだけれど、不思議なものを見たのです。どう思いますか」と。 大きな衝突痕ができた直後には、太陽黒点の半暗部に見られるような淡い放射状の筋(磁場によるフィラメント構造)が、衝突痕の周囲に20分くらいの間、見えたと言うのです。
自分の眼の錯覚かもしれず、不安だったので皆さんの前では言えませんでしたとの由。 『皆さんの前で言ってほしかった!』と思いましたが、参加者の半分以上が退出された後の話になってしまい、とうとう日の目を見ることはありませんでした。
今や画像の時代ですから、同じことが起これば記録に残せるでしょう。 あの時は、他にも日の目を見ない、大発見があったのかもしれません。
![]() |
| [図1] シューメーカー・レビー第9彗星 G核の衝突痕 |
| Credit:H. Hammel, MIT/NASA |
| |