2001/05/05: A Dark Spot of STropZ Approached to GRS and Disappeared
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木星の南熱帯の暗斑が消失GRS(大赤斑)に急接近していたSTrZ(南熱帯)の暗斑が、2001年3月12日UTにいよいよGRS前端に達し、その後GRSの周りの巨大な渦に巻き込まれたようです。 この暗斑は2月4日UTにII=46.9°に達した後、新たなSTrZのDark Streakと一体となり、後退速度が急に速くなりGRSに接近していました。3月9日UTの永長英夫氏の画像でII=59.6°に達し、同日の堀川邦昭氏のスケッチではGRS直前のSEBs(南赤道縞南組織)のこぶのように観測されました。その後の3月12日UTの永長氏・伊藤紀幸氏の画像で、GRS前端部のこぶとして観測されたのを最後に、暗斑はGRSの周りの気流に飲み込まれたようです。3月24日の画像には暗斑は認められませんでした。 土星探査機カッシーニによる公開画像では、2000年10月1日には暗斑は見られず、10月9日頃までにSTrZのStreakから暗斑が形成されたようです。その後巨大な渦を形成し、次第に後退して、GRSに接近していきました。2001年2月上旬にSTrZのStreakの活動が再び活発になると同時に、暗斑の後退速度が増加しました。当初の予想よりは早い速度でGRSに接近し、3月12日以降に消失しました。 また、カッシーニ探査機による2000年10月31日〜11月9日UTの動画に、SEBsの暗斑がまさにGRSの気流に飲み込まれる様子が観測されていますが、今回の暗斑も同様な道筋をたどったものと思われます。 | ||||
図1 STropZ暗斑は大赤斑に接近し、消失した。 | ||||
図2 STropZの暗斑のドリフト
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Reference:
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