木星観測報告 3月下旬から5月上旬

伊賀 祐一


今年の木星観測スケッチのうち、3月下旬から5月上旬までの条件の良いものをピックアップしました。それぞれの観測日毎に、注目点をまとめてみました。

3/24 20h35m(UT) I=103.9 II=246.9 【97-10】
STBがSSTBにω2=220ぐらいでシフトする箇所です。

3/27 20h28m(UT) I=213.0 II=333.1 【97-11】
そのSSTBがさらに南にシフトするω2=300ぐらいの経度です。

3/31 20h11m(UT) I=113.8 II=203.4 【97-14】
ω2=220付近でSTBがシフトする様子ですが、SSTBに濃化部が見えます。
またSEBsが暗斑の連続で、SEBs Bayも認められます。

4/26 19h21m(UT) I=226.6 II=118.1 【97-19】
初めて永続白斑を3個確認したスケッチで、ほぼ同時刻の浅田さんのCCD画像があります。

4/30 19h42m(UT) I=150.8 II= 11.7 【97-20】
NEBsに2個のnotchが見えました(NEBに完全に含まれているので白斑といっても良いかもしれません)。スケッチの後に東縁ではありますが、STrZの白斑がSEBsの肩に見えました。

5/ 5 19h30m(UT) I=212.8 II= 35.6 【97-21】
STrZの白斑がSEBsの肩に留まっている様子を捉えました。RSの南側のSTZに白斑が認められます。NTB-NNTBの濃化部の構造がこの日からはっきりと分かるようになりました。

5/ 6 19h28m(UT) I= 9.5 II=184.7 【97-22】
SEBsに小さなBayがあります。NTZの丸い濃い暗斑が見つかりました。
経度はω2=201.6です。ちゅっと気になる濃さです。

5/10 19h15m(UT) I=273.1 II= 57.8 【97-23】
フライングとなったSTrZの白斑とRSです。白斑は輝度が低いので眼視的にはCM付近では見にくいのかもしれません。RSの左下に明るい白斑が見えます。RSの赤味を今シーズン初めて認めました。RS後方のSEBZが明るいことが分かります。NTB-NNTBの濃化部の様子は5/5と同様です。NEBnに2個のnotchがかろうじて分かりました。永続白斑が見えてもよいのですが、確認できませんでした。また、STZの白斑の様子が5/5とは異なって見えました。

5/11 19h16m(UT) I= 71.6 II=208.7 【97-24】
NEBnに2個のnotchが見えています。5/6のNTZの暗斑の確認観測です。
5/6ほど濃度はなくなりましたが、まだ丸いイメージは残っています。


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