明け方の空ではうお座で土星が輝いています。 6月23日に早くも西矩を迎えました。 夕方の空では火星がしし座を順行中で、6月17日にはレグルスに48'まで近づきました。 視直径は5"台となり、観測時間はどんどん短くなっています。 木星は6月24日に合となり、観測はお休みに入りました。
ここでは6月下旬までの惑星面についてまとめます。 この記事中では、日時は世界時(UT)、画像は南を上にしています。
火星視直径が小さくなって、観測者から「赤いだけで何も見えない」と聞くことが多くなりました。 5"台の火星で模様を見るのは非常に難しく、倍率を上げる(400倍以上)必要がありますが、熱心な観測者はまだ観測を続けています。
火星の季節を表す指標であるLsは、およそ100°になりました。 北半球は夏至を過ぎたところです。 遠日点を過ぎて間もない火星は、雲のシーズンの真っただ中にあり、今シーズンの終わりまで続きます。 図1は伊藤了史氏(愛知県)による6月20日の火星で、広がった雲の中にTharsisの火山列が捉えられています。 普段のTharsis付近は地表の暗い模様が見えにくい経度ですが、これからはしばらくは暗い模様が見える時期になります。
大盆地であるHellasが、非常に明るく見えます。 これは盆地の底に霜が降りていることを示しています。 雲ではないため、今までのようにHellasの周囲まで白っぽくなることは減ってきました。
北極冠は非常に小さい上に火星の傾きが大きく、極冠全体が火星像の内側に入っているため、眼視では高倍率でシーイングが良好でないと厳しくなっています。 極付近がダスティーになった時は、見えない日がありました。
一方、北半球高緯度は暗い模様に覆われているため、画像では北極冠が写りやすくなっています。 北半球が大きく地球側に向いているため、シーイングが良いと、北極付近の模様を記録できます。 撮像観測なら、夏になりシーイングが良くなれば、撮れるチャンスが訪れると期待しています。
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| [図1] 火星に広がる雲 |
| 矢印の先に見える薄暗いバンドはTharsis台地の火山列。周囲一帯が雲で明るくなっているのがわかる。下の白いところが北極冠。撮像:伊藤了史氏(愛知県、30cm) |
土星土星の環の地球に対する傾き(B)は-3.5°と、今シーズンの極大期を迎えています。 どの画像を見てもかなり幅があり、環の東西でカシニの空隙を認めることができます。 眼視では明瞭なのですが、太陽に対する傾き(B')が、まだ-0.8°と小さいため、画像で見る環は本体に比べてかなり暗くなっています。 本来の明るさを取り戻すのは、衝以後となりそうです。
土星本体を見ると、暗い直線状の環をはさんで赤道帯(EZ)が明るく見えています。 その外側には南赤道縞(SEB)と北赤道縞(NEB)があり、NEBの方が濃く見えます。
6月26日の宮崎勲氏(沖縄県)の画像では、南緯50°、体系III=66°に白斑が捉えられています(図2)。 高緯度にある淡い2本のベルトの間にあるので、南温帯(STZ)と思われます。 23日にも同じ緯度に白斑が見られます。 同じものかもしれません。
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| [図2] 土星の暗い環と白斑 |
| 矢印の先に白斑が見える。環は幅があるが、太陽との傾きは1°に満たないので、本体よりもかなり暗い。撮像:宮崎勲氏(沖縄県、40cm) |
木星6月も熱心な観測者から報告がありました。 大赤斑(GRS)後部のフックはまだ活動を続けていて、SED本陣から前方では赤道帯南部(EZs)に明暗が見られます。 また、南赤道縞(SEB)南縁が活動的で、体系II=250°付近には大きな暗斑もあります。
木星面はかなり活動的です。 合の間にガラリと変化してしまわないかと、少し心配しています。
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| [図3] 2024-25シーズンの木星面 |
| 撮像:(左上から)眞島清人氏(沖縄県、30cm)、佐々木一男氏(宮城県、40cm)、山崎明宏氏(東京都、40cm)、渡辺真一氏(新潟県、35cm)、長瀬雅明氏(神奈川県、24cm)、栗栖茂氏(香川県、35cm)、熊森照明氏(大阪府、35cm)、佐藤康明氏(神奈川県、20cm) |
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