ふたご座の木星は、明け方の空で金星と入れ替わり、高く昇るようになりました。 土星はうお座を逆行中で、観測の好機にあります。 一方、おとめ座の火星は西天低くなりました。
ここでは8月下旬までの惑星面についてまとめます。 この記事中では、日時は世界時(UT)、画像は南を上にしています。
木星視直径はまだ33"程度ですが、夏の好シーイングに恵まれ、木星面の詳しい様子が捉えられています。 大赤斑(GRS)は体系II=75°にあり、オレンジ色で明瞭です。 後部のフックはなだらかなスロープとなり、暗色模様が大赤斑を取り囲んでいます。 前方に伸びる南熱帯紐(STrB)は、かなり濃淡があり、II=200°台で濃く目立ちます。
永続白斑BAは大赤斑前方のII=35°にあり、暗い縁取りのある薄茶色のリングとして見られます。 BAの前後に伸びる南温帯縞(STB)は、長さ240°の連続したベルトで、後端部が暗斑のように濃く目立ちます。 南南温帯縞(SSTB)の高気圧性の白斑(AWO)は、7個で変わりありません。
大赤斑の後方の南赤道縞(SEB)にはmid-SEB outbreakの乱れた白雲が広がっています。 白雲は大赤斑の前方に流れ出ていますが、対流性の白斑などは見られないので、outbreakの活動は大赤斑でせき止められていると思われます。
赤道帯(EZ)南部では、昨シーズンから続く攪乱活動(SED)による淡青色の乱れが全周で見られます。 体系I=160°のSEB北縁にはリフトがあり、SED本陣のように見えますが、経度的に昨シーズンとの連続性はありません。
北赤道縞(NEB)は幅広く、北部にはバージと白斑が並んでいます。 拡幅状態が続きますが、ベルト北部は部分的に明るく、北縁の淡化が始まっています。
その北側では、北温帯縞(NTB)北組織から北北温帯縞(NNTB)までが灰色で幅広いベルトとして目立っています。
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| [図1] 8月の木星面 |
| 左端に大赤斑があり、SEBにはmid-SEB outbreakの白雲が中央付近まで伸びている。撮像:鈴木邦彦氏(神奈川県、19cm) |
土星環の傾き(B)は今シーズンの極大を過ぎて、8月半ばには-3°を切りました。 画像を見ても少し細くなったのがわかります。 一方、今月の環ははっきりと明るくなってきました。 太陽に対する傾き(B')は大きく変わっていないので、これは衝が近づいて、衝効果が始まったためと考えられます。
土星本体では小白斑などが度々捉えられています。 南緯50°付近で今月8回観測された拡散した白斑は、6月〜7月初に観測された白斑の延長上にあり、1日あたり-12°という高速で前進しています。 白斑が復活したようです。
ベルトやゾーンは淡く穏やかで、高解像度では中緯度に微細なラインが多数見られます。
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| [図2] 明るくなってきた環 |
| 本体の明るさを合わせた。環が少し明るくなったことがわかる。撮像:上) 森田光治氏(滋賀県、26cm)、下) 鈴木隆氏(東京都、18cm) |
火星火星はいよいよ低く小さくなり、観測は厳しくなりました。 北極冠(NPC)の見え方に大きな変化はありませんでしたが、白雲が広がって見えにくいこともありました。
8月11日にSyrtis Major南西部にダストが拡がり、付近の模様が見えにくくなりました。 また、8月17日にはPropontis(180w, +45)とNPCの間に弱いダストストームが発生しています。
白雲の活動は緩やかになってきました。 Lsが150°になるころにはほとんど収まりますが、今シーズンはそこまで追跡できません。 低緯度の赤道帯霧はTharsis周辺だけになりました。 Tharsisの成層火山は、まだ斑点として記録されています。 小さな火星でここまで撮れるとは驚きです。
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| [図3] Syrtis Major南西部のダスト |
| 撮像:マーク・ロンズデール氏(オーストラリア、35cm) |
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| [図4] 2025シーズンの火星面 |
| 撮像:(左上から)森田光治氏(滋賀県、30cm)(RGB)、永長英夫氏(兵庫県、35cm)(RGB)、皆川伸也氏(東京都、24cm)(赤画像)、佐藤康明氏(神奈川県、20cm)(赤外画像)、長瀬雅明氏(神奈川県、24cm)(赤外画像)、鶴見敏久氏(岡山県、35cm)(RGB)、石橋力氏(神奈川県、31cm)(青画像) |
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