天文ガイド 惑星サロン2005年4月号 (No.31)柚木健吉

大気差分散補正について

銀塩時代にはさほど問題にならなかった惑星撮像の際の大気差分散に伴う色ズレも、デジタル時代になり高解像度でシャープな画像が得られるようになるといやでも目立ってしまいます。撮影段階の色ズレ補正に眼鏡用のウエッジプリズムを用いることは、池村氏や熊森氏が既に試みておられます。私も以前は拡大系にXPを使用していたため、タカハシの拡大アダプターのフィルターボックスに眼鏡用プリズムを挿入していました。少し前から拡大レンズにバーローレンズを用いるようになってシステムを小さく出来ないかと考えた結果、ToUcamのアダプターにウエッジプリズムをフィルター枠に取り付け、システム全体の小型化をはかっています。加えて眼鏡用のプリズムは精度がどのようなものか不安がありますが、今使用しているオプトマックス製のものは1/4λですから安心感があります。

フィルター枠はミードのアメリカンサイズのものを使っていますが、そのままではフィルター枠が大きいので、枠の内周に薄いプラスティックを巻いてプリズムが落ちないようにしました。UV画像も撮りたいため、BK7ではなく溶解石英のものを用いています。このほかAdirondack Video AstronomyのPADC V2Hも直接輸入して持っていますが、こちらはBK7で1/10λと高精度で高価ですが、撮像結果の差はわかりません。

株式会社オプトマックス
溶解石英ウエッジプリズム(φ25.4 約$26 値段は角度により異なる)
Adirondack Video Astronomy
PADC V2H     ($159)

画像5 WEBカメラとウエッジプリズム


前号へ INDEXへ 次号へ