天文ガイド 惑星サロン2005年6月号 (No.33)柚木健吉

接眼部の電動化改造

月や惑星の撮像も、Webカメラや冷却CCDによるデジタル撮像になると、今までの撮像スタイルとは異なってきます。一眼レフによる撮像では接眼部のピントノブの操作は眼視の時と変わらない位置でできますが、デジタル撮像では接眼部から離れたパソコンのモニターを見ながら行わねばなりません。私が使用している望遠鏡はニュートン式ですから、モニターを見ながらノブを手で操作することは極めて困難なことです。撮像システムを効率化することは観測回数を増やす上での条件整備だと考え、接眼部を電動化しました。

現在Jim’s Mobile製のNGF-S電動フォーカサー付きをオークションで入手し使っています。スピードコントローラーのつまみを最小位置にしても、ややピッチが荒いとは感じますが、モニターをそばで見ながらのピント調節が快適にできるようになりました。私のものはシュミカセの接眼部に取り付けるタイプのものですから、以前の接眼部のベースにタップを切って取り付けました。

最近国内の製品でも微妙なピント合わせが求められるデジタル時代に対応し、マイクロフォーカサーが発売されましたが、残念なことに電動化したものではありません。日本の望遠鏡の接眼部は未だ眼視中心時代の造りで、デジタル時代に対応出来ていないと思います。メーカーさん、新しい製品を期待しています。


画像1 電動フォーカサー
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