NASAの火星着陸探査機スピリッツが、火星表面に巻き上がる竜巻(Dust Devil)が移動する動画の観測に成功しました(画像上)。2004年1月に着陸して、1年半経った今も、スピリッツは活動を続けています。
Dust Devilは、地球の砂漠などで頻繁に見られる現象で、地表付近の大気が日射で温められて上昇気流が発生し、竜巻のようにスピンしながら砂塵を巻き上げます。火星でも同様な現象が起こり、マーズ・グローバル・サーベイヤ(MGS)は上空1kmに達するDust Devilを観測していました(画像下)。MGSの画像では、Dust Devilの影や、砂塵が巻き上げられて地表がむき出した痕跡がとらえられています。
NASAはスピリッツからDust Devilをとらえるために、20秒間隔で21枚の連続画像を撮影し、そのうちの3枚と全てのサムネイル画像を地球に送信するようにプログラムを改良しました。地球で精査して、Dust Devilが写っていれば残りの画像を再送信します。こうして、3月に始まった観測から、4月15日にグセフ・クレータを移動するDust Devilをとらえることに成功しました。今後のDust Devilの観測から、1日でどのような風向の変化があるのか、またその大きさからダストがどれぐらい大気に巻き上げられているか、黄雲の発生とどう関係するか、などの研究に期待されます。
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画像1 火星のDust Devil |
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画像提供:NASA/JPL
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