今シーズン、晴れていればできるだけ土星の観測をしました。その結果、20p程度の小口径でもToUcam等の適切な機材を使えば、あまり変化がないと言われてきた土星も、以前考えていた以上にダイナミックな変化をとらえることもできるのではないかと思い始めました。今期目立ったのは南極及び周辺部の変化及びSEBの白斑です。南極中央部が明るくなってきたことは以前報告しましたが、池村氏が指摘された極に隣接する周辺の赤い部分にも、その後変化の兆しが見え始めています。
南極と隣接した部分の境目が明るく(白っぽく)なりつつあります。2月28日までは全体として赤かったのですが、3月6日以降、境目が明るくなって赤みが消えていっています。透明度、シーイング等一定の条件で撮像できませんのでなかなか安定した画像は得られませんが、4月中旬以降は、よりはっきりしてきています。今後土星は観測条件が悪くなってきますが、南極周辺部の赤みの淡化現象につながる出来事なのかも知れません。
画像1 土星の南極およびその周辺部の変化 堺市、20cm反射、ToUcam PRO (拡大) |
|