天文ガイド 惑星サロン2005年12月号 (No.39)伊賀祐一

木星会議

木星会議は、木星に興味を持った全国の観測者や研究者が一堂に集まって、観測技術の情報交換・観測結果のまとめ・研究発表などを行ってきました。

記念すべき最初の会合は、1974年8月に仙台天文台で木星観測者会議としてスタートしました。それまで個人での観測や、個別の同好会や団体での活動が中心でしたので、参加者のスケッチや写真を持ち寄って全員で討論するというスタイルは新鮮でした。1975年、1976年と国立科学博物館で開催された後は、木星の観測シーズンの終わりに木星会議が開かれるのが慣例化しました。

それ以来、31年間で29回の木星会議が開かれていますが、木星の衝がない年が12年に1回あるために、回数は2回分少なくなっています。木星会議は、各地の団体の主催で行われ、これまで仙台(5)、山形(2)、宇都宮(1)、東京(9)、横浜(3)、名古屋(1)、富山(1)、滋賀(1)、京都(1)、神戸(2)、和歌山(1)、福岡(1)で開かれてきました(カッコ内は開催回数)。なかでも、世紀のイベントとなったSL-9彗星の木星衝突の報告会(1995)や木星研究の第一人者インガソル教授の特別講演(1997)など、思い出深い会議が多くありました。もちろん、懇親会やその後の深夜まで飲みながらの観測仲間との交流会が、一番の楽しみであります。


画像4 第2回木星会議の様子(1975年10月)
当時は持ち寄ったスケッチから黒板に整理をしていた。写真は平林勇氏。 (拡大)

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