天文ガイド 惑星サロン2008年1月号 (No.64)堀川邦昭

第31回木星会議が開催されました

今年の木星会議が11月17日〜18日に、滋賀県多賀町のダイニックアストロパーク天究館で開催されました。木星会議は全国各地にいる木星観測者・研究者が一堂に会して発表や情報交換、親交を深める集まりで、1974年に仙台天文台で開催されたのが最初です。以来、木星の観測シーズン毎に開催され、今回で31回を数えます。今回も北は北海道から南は九州まで、プロやアマチュア総勢26名が集まり、活発な議論が交わされました。

最初のプログラムは前国立天文台長の海部宣夫先生の特別講演で、「解けた冥王星のなぞ‥‥‥新しい太陽系の姿」というタイトルで、昨年のIAU総会の裏話などを交えながら、海王星の外側へ大きく広がった太陽系像について、大変興味深いお話をされました。その後、木星面のまとめのセッションに入りましたが、今シーズンは十数年ぶりという超重要な現象が立て続けにいくつも発生しましたので、議論も白熱し、大変内容の濃い充実したものになりました。夜は懇親会や天究館の30cm反射望遠鏡で火星を観望しながら、夜遅くまで木星談議に花が咲きました。

2日目は研究発表で、次の6件の発表がありました。

  1. 2007年南熱帯攪乱と循環気流に関する考察 (堀川)
  2. デジタル化プロジェクトの進捗 (田部)
  3. NTB復活 (伊賀)
  4. 新しい撮影機材 (福井)
  5. 解析ソフト(伊賀版)の紹介 (瀧本)
  6. LRGB法による惑星 (熊森)

次回は2008年11月8〜9日に仙台市で開催されることが決まりました。木星の最新情報や当会のホームページに素晴らしい画像を報告している観測者達の素顔に接するチャンスです。是非、参加してみてはいかがでしょう。


[図] 今年の木星会議(拡大)

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