火星の北半球にはいくつかの大規模な火山があります(今は活動していません)。もっとも有名なものはオリンピア山です。今回の縦穴は125W、-4°に位置する、アルシア・シルバと呼ばれる火山に7つも見つかりました。地球では火山の噴火口か、石灰岩地帯の陥没した穴を思い浮かべさせる特異な姿です。中の温度を調べると、まさに穴のようです。
今回見つかった穴の周囲には、噴出物の影も形もありません。もちろん、石灰岩地帯のようなくぼみもありません。それどころか。周囲の様子は周りに穴の気配すら感じさせないのです。
火星の地下には二酸化炭素や氷が封じ込められ、地温の上昇とともに一気に気化して、地下から噴出することがあると考えられています。もしも地下に火山活動があり、熱源があればアルシアだけに見られるという説明もつくのですが、噴出した大地の構成物はどこへ行ったのでしょう・・・。
穴のニュースが流れてからというもの、考えれば考えるほど興味は尽きません。解決の妙案はないものでしょうか。
[図] アルシア火山の穴 NASA MROの画像(拡大) |
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