天文ガイド 惑星サロン2009年7月号 (No.82)米山誠一

私のベランダ観測所

住宅街にある我が家の庭からは天頂しか見えないので、2階のベランダを1m拡張 して観測所にしています。そのベランダにVIXENの旧式のアトラクス(内部構造か ら試作品の可能性もありとのこと)を常設しています。

惑星観測・撮影用には、笠井トレーディングのGINJI200N(口径20cm F6)を使って います。長いGINJIを赤道儀に載せて置くと日常生活に邪魔なので、観察時以外 はベランダの隅に置いたトランクケースに入れてあります。

ベランダはほぼ真南を向いているので、シーズンを通して惑星の観測に支障はあ りませんが、南東方向の隣家の屋根が高く、南東方向だけは25度以下の視界が遮 られます。また自宅の屋根があるため、北側半球は見ることができません。

惑星の撮影には、Imaging Source社製のカラーPCカメラDFK21AF04を使っていま す。拡大光学系は、笠井トレーディングの2.8倍バローですが、バローのレンズ 部分をVIXENのフリップミラーに特注プレートで接続し、5.2倍の拡大率を得てい ます。火星の撮影には延長スリーブを使い拡大率を8〜9倍に増加させています。

大気の色分散補正用には、(株)オプトマックスの1度と2度のウェッジプリズムを 光映舎の31.7mmのフィルター枠に入れて使っています。低空で2度プリズムでも 不足する時は、1度と2度を重ねます。1度プリズムは2枚あるので、重ねて回転さ せれば角度を無段階に調整可能です。

シーイング面では関東は元々気流が悪く、更に住宅街なので、夕方から夜半前は 隣家の生活廃熱の影響が加わり、低空の状態はかなり悪化します。ただ、ご近所 が寝静まる夜半過ぎから未明までは、低空でも気流が安定することが多いようで す。


[図1] ベランダのGINJI200N(拡大)

[図2] 撮像システム (tg0907sfig2.jpg)(拡大)
前号へ INDEXへ 次号へ