私の住まいは、兵庫県播磨平野北部の鶉野台地にあります。田畑や牧場に囲まれ、
カノープスが見える見晴らしの良い地です。穏やかな瀬戸内式気候で晴天日数が
多く、惑星の継続観測に適した所だと思います。ただ、雨が少ないのでため池が
多く、季節の変わり目にはしばしば霧が発生し、悩まされます。
自作の木製3.2mドーム内にミカゲ210B型赤道儀(不動点5.2m)を設置し、望遠鏡は
高解像度とフィルターワークの必要に迫られ、2年前に25cmF7.6(木辺鏡)から、
国際光器扱いのホワイティドブ30cmF5に変えました。鏡筒のたわみ防止対策とし
て鏡筒バンドの間隔を60cmとり、接眼部はアルミ板で補強しています。もちろん
鏡筒内には植毛紙を貼り、自作フードも取付けてコントラストを上げるようにし
ています。標準装備のクレイフォード接眼部にオプションの電動装置を取り付け、
モニターを見ながらストレスなく合焦ができています。F5は光軸調整がシビアで
すが、中心像は惑星観測に十分な結果を出してくれ、その性能に正直驚いていま
す。
撮影はバーローレンズで拡大し、大気差による色分散を補正するためのプリズム
を介し、フリップミラーにImaging Source社のDMK21AF04(モノクロ)とDBK21AF04
(カラー)を接続して行います。LRGB法で精細な画像を目指していますが、色調が
安定せず、いつも四苦八苦しています。アストロ製フィルターボックスに入れた
プリズムは任意に回転でき、フィルターも挟み込めるので大変便利です。また、
筒内気流やドーム内気流に対応するため2台の扇風機を常時動作させています。
シースルーセルの鏡面は15分程で外気温となじみ、扇風機の角度や風量を調節す
れば、シーイングが1〜2段階向上します。
木星の南赤道縞攪乱(SEB Disturbance)に出会いたくて、木星とともに寝起きす
る生活が続いています。月惑星研究会の方々が開発されたハードとソフト両面で
の恩恵に最大限あずかりながら、継続的な惑星パトロールが可能になっているこ
とをとても幸せに思っています。
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