右の写真は、渋谷に2003年まであった東急文化会館の屋上、五島プラネタリウム
のドーム脇で撮ったものです。今から50年前にあたる1959年9月6日の日曜日、私
の横に写っているベンチに4人の高校生が集まり、「月惑星研究会」(発足当初は
「月面惑星研究会」と命名)をスタートさせました。
会設立の発端となったのは、1958年4月19日に見られた八丈島金環日食で、私が
自作の10cm反射経緯台で撮った写真を、「子供の科学」に投稿したことがきっか
けです。当時は、まだそのような記事を掲載する本が無かったためか、反響は大
きく、全国から200通を超える手紙をいただきました。
その中で月や惑星の観測に興味を持っている何人かとの文通が続き、一度会おう
ということになりました。そして、初めて集まった場所がこのベンチです。4人
の高校生とは、唐沢英行君、海部宣男君、村越正晴君、それに私です。その後、
月惑星研究会は多くの新しいメンバーを迎えるとともに、いろいろな方々に支え
られ、紆余曲折を経ながらも、今年の9月で50周年を迎えることになりました。
半世紀もの長い間、会が存続するということは、発足当時には想像もできないこ
とでした。
五島プラネタリウムの水野良平先生や大谷豊和先生には、1962年に展示コーナー
で、会員による月や惑星のスケッチ展を開催させてもらうなど、なにかとお世話
になりました。同プラネタリウムはもうなくなってしまいましたが、会にとって
は心の故郷のような場所になっています。
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