木星会議は木星の観測や研究を行っている人達が一堂に会して、情報交換や親睦
を深めるための集まりです。1974年にスタートしてから、木星の観測シーズンに
合わせて13ヵ月に1度のペースで開催されています。
私が初めて参加したのは1977年の第4回の時で、会場は代々木のオリンピック記
念青少年センターでした。大学1年生だった私は大学天文連盟(大天連)の一員と
して出席しました。天文誌で見る第一線の観測者に初めて会えるとあって、ワク
ワクしながら出かけたものです。
会議には、当時の東亜天文学会(OAA)木土星課長の平林勇さんを初めとして近内
(堀口)令一さんや宮崎勲さん、仙台市天文台の小石川正弘さんなど、そうそうた
る顔ぶれでした。会議の内容は駆け出しの私には大変高度でしたし、激しい議論
の押収もあり、緊迫した雰囲気を感じました。大天連ではずうずうしく意見を述
べていた私ですが、白熱した議論に圧倒されてひと言も発言することができませ
んでした。
夜、宿舎で仲間同士スケッチを比べあっていたところ、「そのスケッチ、本物の
木星と同じ位になるまで離してみい、NTBなんか見えへんようになってしまうや
ろ」と後ろから京都弁で大きな声がします。振り向くと、そこには安達誠さんが
立っていました。今では親しくお付き合いさせていただくようになりましたが、
当時は雲の上の大ベテラン、私の描いたNTBが細過ぎることを鋭く指摘されて、
大変緊張したものです。最後は「ええセンいっとるで、頑張ってや」と声をかけ
ていただき、大変励みになったのを覚えています。
木星会議への参加は、全国の木星観測者と交流できて大変刺激になりましたし、
観測する上での目的や目標が明確になり、大変勉強になりました。
今年の木星会議は10月23〜24日に姫路市の姫路科学館で開催されます。木星の最
新情報を収集するとともに、日本のトップアマの素顔に触れるチャンスですので、
是非とも参加されてはいかがでしょうか。
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