一部の例外もありますが、カラーカメラで使われている撮像素子はベイヤ配列と
呼ばれ、赤(R)、緑(G)、青(B)の素子が格子状に並んでいます。赤・青・緑・緑
の四つの素子を一組にして、画像の一つの画素を形成します。一方、モノクロは
一つの素子が画像の一つ画素になります(図1)。撮像素子だけの解像力はモノク
ロが良いことがわかります。
一方、望遠鏡の解像力には、光の回折現象によりできるエアリーディスクの大き
さが影響します。そこで、天文年鑑318、319ページの計算式で望遠鏡と合わせた
トータルの解像力を計算して見ます。惑星を撮影する時はF30以上になります。
318ページの式(2.44×波長×F数)で、波長は0.588μを使いエアリーディスクの
直径を計算すると43μで撮像素子8個分になります。惑星の撮影に良く使われる
カメラは、カラーもモノクロも一素子の大きさが5.6μ四方で、両者ともエアリ
ーディスクの中には37個以上の素子が入ります(図2)。
319ページの写真撮影での解像力を求める式(1/望遠鏡の空中解像力+1/撮像素子
の解像力)で、トータルの解像力を計算します。F30の空中解像力は、先ほど計算
したエアリーディスクの大きさから46本/mmとなります。図1の考え方から、モノ
クロ撮像素子の解像力は89本/mm、カラーは45本/mmとなります。すると、モノク
ロ撮影での解像力は30本/mm、カラー撮影では23本/mmとなりました。30本/mmと
いうことは、撮像素子の表面上で解像できる大きさは33μが限界となります。こ
れは撮像素子6個分です。23本/mmは同様に43μの撮像素子8個分で、両者の差は
撮像素子で見ると2個で、これは画像をPCのモニタで見る時には0.5mm以下の差に
相当します。実際の撮影では、大気の揺らぎにより望遠鏡の解像力が低下してい
るので、その差はさらに小さくなるでしょう。
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