ICX618ALAはソニー製CCDモノクロセンサーであり、IMAGING SOURCE社の
DMK21AF04などのPCカメラに使われているICX098BLの2倍から3倍の感度があると
言われています。画素数はどちらもVGA(640x480ピクセル)で画素数が上がるわけ
ではありません。すでに産業用カメラとして販売されていて、POINT GREY社の
Flea3やBASLER社のBASLER aceなどが惑星撮影で多く使われています。私は、モ
ノクロPCカメラとカラーPCカメラで得られた撮影データを合成するLRGB法による
高解像惑星撮影をめざしていますが、高感度モノクロセンサーは高解像に直接繋
がるもので、ICX618ALAをとても使いたいと思っていました。
ネットで調べると、イギリスではPHILIPS社のウエブカムspc880ncのCCDチップを
ICX618ALAに置き換えたものを販売していましたので、これを購入することにし
ました。そしていろいろテストしたのですが、ノイズなどもあり基板回路の限界
もあって、手持ちのDMK21AF04の能力を上回ることはできませんでした。そこで
最後の手段として、ICX618ALAのチップを改造spc880ncから剥がして、DMK21AF04
へ換装することにしました。素人のハンダ技術では限界を感じましたが、何とか
換装ができました。
早速、DMK21AF04+ICX098BLとDMK21AF04+ICX618ALAを土星で比較撮影してみまし
た。結果としてL画像の取得では約2倍の感度がありました。直接的に解像度が
上がるわけではありませんが、時間的な解像度が上がりSN比の向上に役立つもの
と考えています。
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