天文ガイド 惑星サロン2011年10月号 (No.109)唐澤英行

52年前の天文少年たち

早いもので「月惑星研究会」(発足当初は「月面惑星研究会」)ができて52年にな ります。2年前には「第33回木星会議」と合わせて、月惑星研究会の創立50周年 記念パーティーが70名近くの参加で行われました。52年前、高校生4人が渋谷の プラネタリウム屋上に集まったことが、当会の活動の始まりだったことは、2009 年9月号の惑星サロンで、当会会長の平林勇さんが『月惑星研究会発祥のベンチ』 と題して執筆されています。

今回紹介するのは、1961年3月21日に開かれた例会の記念写真です。小遣いも少 なくて会場を借りることが出来ない天文少年たちのために、小森幸正氏(アスト ロ光学勤務、その後、日本アストロドーム社設立)が自宅の応接室を提供して下 さった時のもので、10人が集まりました。50年後の現在からは思い浮かばない、 若々しい少年たちばかりです。後列右から3人目が平林勇さん、右隣が元国立天 文台長の海部宣男さん、後列左端が筆者です。

当時はB5版8ページの会誌「THE MOON AND PLANETS」を毎月45部発行していまし た。50年前はパソコンやワープロはありませんから、すべてガリ版刷りです。こ の写真を載せた1961年4月8日発行の第15号の「例会メモ」で、月面の精密観測地 をオニール橋など4地点としたことが書かれています。同号には、花山天文台の 宮本正太郎先生から「アメリカのStrolling AstronomerやドイツのMitteilungen fur Planetenbeobachter のように発展されることを祈っております」と励まし をいただいたことが掲載されています。

それから50年、当会のメンバーの中からプロになった方、アマチュアでも世界的 に活躍している方が出たことは、この間、多くの諸先輩の援助と指導があったか らと感謝しています。


[図1] 小森幸正氏宅で開かれた例会の写真
1961年3月21日、後列左端が筆者。
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