3月9〜10日、「第24回天文春の陣」という大学の天文サークルによるイベントが
関東で開催されました。その中で行なわれた惑星分科会はテーマを「閃光現象」
とし、近年観測されている木星表面の発光現象を取り上げ、その概要や閃光観測
について発表しました。
閃光現象とは、木星などの惑星に小天体が衝突した際に発光する現象のことで、
2010年6月以降、数例の観測が報告されています。それを観測するために「閃光
観測キャンペーン」が月惑星研究会を中心に進められていて、いくつかの大学天
文サークルも参加しています。
2回にわたる閃光観測キャンペーンの集中観測を経て、参加した大学の天文サー
クル(東海大学天文宇宙同好会・明治大学天文部・東京理科大学天文研究部)とし
ても閃光観測を行なうことが提案されました。そこで、今回の惑星分科会をきっ
かけとして、3大学の天文サークルがそれぞれの所有器材を用いて、下記の要領
で同時閃光観測を行うことにしました。
・日時 12月10〜14日 19:00〜22:00
・場所 各キャンパス
目的は大口径の望遠鏡がなくとも、木星閃光の観測が可能であることを確かめる
ことです。可能であれば、気軽に続けていくこともできると考えました。
結果としては、閃光を発見することができませんでした.冬の大気の揺らぎによ
る影響も大きな原因でしたが、それ以上に撮像技術が足りないことを露呈してし
まった観測になりました。これから、撮像技術を上げて行くことで閃光観測キャ
ンペーンに参加することが可能であると思いました。
分科会には、閃光観測・写真撮影・スケッチ観測、またこれから観測を始めよう
としている人達まで、様々な方が来てくれました。テーマである閃光観測や私た
ちが観測したスケッチについてなど多くのことが話されました。この後に行なわ
れた観測会では、惑星スケッチを取っている姿も見えるなど、これからの惑星観
測は盛り上がっていくと思いました。
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[図1] 天文春の陣で行われた観測会 |
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