天文の活動をしていると、観望会を依頼されることがしばしばあります。
もちろん本当の星空を見ていただくのが一番いいのですが、希望された日が晴天になるという保証はなく、天気が曇れば、何か見せものを用意しておかなくてはなりません。
そのため、毎回その日の星空や惑星の様子・新しい天文ニュースをプレゼンにして準備しています。
月や惑星の場合、スチール画像でもいいのですが、動画だと臨場感があって、見ている人の声も違います。
ですから、観望会の少し前にはなるべくビデオで惑星などを撮影しています。
撮影は、きまってハイビジョンのビデオカメラをアダプターで取り付けてのコリメート撮影です。
撮影の時によく起こる問題は、惑星の大きさ(拡大率)を小さくしてしまい、白とびした、模様のない惑星を撮ってしまうことです。
なるべく大きく撮像することによって白とびはかなり防げますが、大きくできない場合、惑星が明るすぎ、飛んでしまうということがよく起こります。
ウェッブカメラのようなゲイン調整は困難です。撮影するとき、拡大率をかえずに光量を加減するというのは大変ですね。
以前はフィルターを使っていましたが、ぴったりという光量にはなかなかなりません。
おまけにカメラが勝手に露出を決めるような設定だと、イライラしてしまいます。
どうにかできないかと悩んでいた時ひらめきました。
ドームを回転させて筒先を隠し、広さを加減するのです。
拡大率は同じままで、光量は無段階変更可能です。
ただし、像の鮮明さは・・・。
白とびよりははるかにましでした。
以来これは、私の常套手段となりました。
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[図1] 白とびとその調整の実例 |
左は白とびした火星。右は筒先の遮蔽によって光量を調整した木星。 |
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