天文ガイド 惑星サロン2015年11月号 (No.158)木星会議2015実行委員長/明治大学天文部観測部長 龍華 良典

好評だった今年の木星会議

38回目となる木星会議を、8月29、30日に明治大学駿河台キャンパスにて開催しました。 全国から77名の方の参加がありました。今回は明治大学天文部が主催するにあたり、惑星 観測の経験がない方にも参加していただき、少しでも観測に触れてもらおうと、木星のス ケッチの体験イベントを会の目玉として企画しました。

1日目に「木星を堪能するセッション」として、観測の意義について月惑星研究会の田部 さんから解説していただいた後、堀川さんの指導により、今年の目玉である木星のスケッ チの体験を行いました。この体験は、私自身木星スケッチをやったことがなかったのでと ても刺激的でしたし、ベテランの観測者の方々も「スケッチを行ったのは学生の時以来数 十年ぶりで楽しかった」といってもらい、とても好評でした。その後、大学内にあるカフ ェパンセにて懇親会を行い、学生から社会人まで世代を越えて親睦を深めました。

2日目は、堀川さんによる2014-15シーズンの木星面の近況報告があり、その後、以下のよ うな研究発表が行われました。

1. 明治大学天文部の惑星観測 (龍華良典)
2. Raw現像ソフト,RawTherapheeの使い方 (三品利郎)
3. CMOSカメラの最近のトレンドについて (山崎明宏)
4. 木星表面構造の分光観測計画 (岩崎和人)
5. 木星面に見られる波動現象について (田部一志)
6. 2000-2014年までの大赤斑の緯度(変化) (鈴木重則)
7. 北熱帯の長命な白斑WSZ (堀川邦昭)

今回は初心者でも参加しやすい会にしようと企画したこともあり、惑星観測をやったこと のない学生から何十年も観測を続けているベテランまで、多くの方々に参加いただきまし た。様々な世代の天文愛好者が集ったこの会が、少しでも参加された皆さんの天文活動の 発展につなげていただけていれば幸いです。

[図1] 木星会議の記念写真

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