より高解像惑星写真をめざし、中古でセレストロンC14(口径35cm)を購入しました。今ま
で使っていたC11(口径28cm)の経験をふまえて、改造を行いました。
一番の改造は、閉鎖鏡筒のシュミットカセグレンに残りやすい筒内気流防止のため、吸・
排気ファンを取り付けることでした。アルミ鏡筒の筒先側には吸気用に12cmのファンを
2個設置しました。そして、後部セルには排気用に8cmのファンを3個設置し、筒先から流
入した外気が、主鏡を冷やしながら後部セルから排気される空気の流れを強制的に作り出
し、筒内気流を拡散させるとともに、鏡筒内の気流安定化を狙っています。鏡筒内で一番
の熱源になる主鏡には温度センサーを張り付け、常に外気温との温度差をチェックできる
ように2チャンネルのLED温度計を後部セルに設置しました。
シュミットカセグレンは主鏡の移動によってピントを合わせるため、主鏡が僅かに傾いて
星が視野の中で移動してしまいます。この現象を避けるために、主鏡移動によるピント合
わせは大まかにしておき、最後は後部セルに付けたクレイフォードタイプの接眼部で最終
ピントを決めています。ピント合わせは望遠鏡が揺れないようにパルスモーターを使った
電動駆動を自作しました。
架台部はミードのフォークを改造したものですが、できるだけコンパクトに押さえるため、
フォークは極端に短くなっています。そのため、C14は天の赤道から±25°の範囲しか向
きませんが、惑星の観測だけですので、これで十分だと考えています。
恒星像のナイフエッジテストでは、予想どおり顕著なステップリングが見られますが、全
体的には平坦で、恒星の内外像も平均的な姿を見せています。どこまで高解像の惑星を捉
えることができるか、シーイングの良くなる日をとっても楽しみにしています。
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[図1] ベランダの東端に設置したC14シュミットカセグレン |
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