天文ガイド 惑星サロン2016年9月号 (No.168)山崎明宏

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惑星撮像で最近良く目にするPCカメラ"ASI xxx"。作っているのはZWO社で、中国の蘇州に 本社があります。創立は2011年とわずか5年前ですが、すでに多くの製品を市場に投入し、 非常に存在感があります。今回は、そのZWO社注目の製品を3点ご紹介します。

@ASI224MC:現在入手可能なPCカメラの中で、最高感度と言ってもよいでしょう。センサ ー自体は防犯用に開発されたもので、非常に安価です。しかし、低照度用の特殊なモード を装備しており、一般的な素子の2倍の感度があります。また近赤外感度も良好です。残 念なのは、カラーカメラしかない点でしょうか。カラー一発撮りの方には、このカメラを お勧めします。

AASI290MM/MC:春先から販売が開始された最新のPCカメラです。裏面照射型のセンサー を搭載し、先に紹介したASI224と比較しても、単位面積当たりの感度はほぼ同等です。こ ちらは、カラー・モノクロどちらも製品化されています。素子ピッチが2.9μmと、やや小 さいのも特徴の一つです。(※ PCカメラの感度情報は、天文ガイド8月号「惑星撮影ガイ ド」に、より詳しいデータが載っています。)

BADC(Atmospheric Dispersion Corrector)可変式大気分散補正プリズム:今年一押しの 商品です。惑星撮像は、大気の屈折効果による色分散の影響を大きく受けます。特に、今 年の火星や土星のように最大高度が30度強程度の場合、その影響も顕著になります。これ までは大気分散の補正機構は、皆さんほぼ自作していました。そこに、ZWO社がお手頃価 格で販売を開始したため、惑星シーズンと重なったこともあって、急速に普及し始めてい ます。(※PCカメラについては、同様の製品がQHY社からもリリースされています。)

良いシーイングに恵まれますように。

[図1] 紹介した製品
右下がADC

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