惑星撮像で最近良く目にするPCカメラ"ASI xxx"。作っているのはZWO社で、中国の蘇州に
本社があります。創立は2011年とわずか5年前ですが、すでに多くの製品を市場に投入し、
非常に存在感があります。今回は、そのZWO社注目の製品を3点ご紹介します。
@ASI224MC:現在入手可能なPCカメラの中で、最高感度と言ってもよいでしょう。センサ
ー自体は防犯用に開発されたもので、非常に安価です。しかし、低照度用の特殊なモード
を装備しており、一般的な素子の2倍の感度があります。また近赤外感度も良好です。残
念なのは、カラーカメラしかない点でしょうか。カラー一発撮りの方には、このカメラを
お勧めします。
AASI290MM/MC:春先から販売が開始された最新のPCカメラです。裏面照射型のセンサー
を搭載し、先に紹介したASI224と比較しても、単位面積当たりの感度はほぼ同等です。こ
ちらは、カラー・モノクロどちらも製品化されています。素子ピッチが2.9μmと、やや小
さいのも特徴の一つです。(※ PCカメラの感度情報は、天文ガイド8月号「惑星撮影ガイ
ド」に、より詳しいデータが載っています。)
BADC(Atmospheric Dispersion Corrector)可変式大気分散補正プリズム:今年一押しの
商品です。惑星撮像は、大気の屈折効果による色分散の影響を大きく受けます。特に、今
年の火星や土星のように最大高度が30度強程度の場合、その影響も顕著になります。これ
までは大気分散の補正機構は、皆さんほぼ自作していました。そこに、ZWO社がお手頃価
格で販売を開始したため、惑星シーズンと重なったこともあって、急速に普及し始めてい
ます。(※PCカメラについては、同様の製品がQHY社からもリリースされています。)
良いシーイングに恵まれますように。
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[図1] 紹介した製品 |
右下がADC |
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