天文ガイド 惑星サロン
2016年12月号 (No.171)
堀川邦昭

木星会議が開催されました

全国の木星観測者や研究者が一堂に会する木星会議が、10月8日と9日の両日、静岡市科学館「る・く・る」で開催されました。 木星会議は1974年から木星の観測シーズンに1回のペースで開かれていて、今回は39回目となります。 今年も関東や関西を中心に、老若男女合わせて約30名の参加者がありました。 常連となるベテランにとっては、遠方の観測者仲間との久しぶりの顔合わせとなりますし、若い人にとっては雑誌などで目にするすばらしい惑星画像を撮る観測者の生の姿を見る絶好の機会で、よい刺激になるようです。

初日は自己紹介の後、熊森照明さんによる「ジェット気流を越えて 〜 めざせ高解像! 〜」というタイトルの講演がありました。 熊森さんが使われてきた望遠鏡の歴史から、高解像度の惑星画像を得るための詳細なテクニックまで余すところなく披露されていましたので、多くの観測者にとって大変参考になったようです。 その後、筆者による木星面近況のセッションとなり、2015-16シーズン見られた諸現象と次シーズンの展望についてまとめました。 その夜は懇親会が開かれ、遅くまでワイワイと互いの観測にまつわるエピソードや画像処理の秘法を交換して盛り上がりました。

二日目は研究発表のセッションで、次の3件の発表がありました。 @ドブソニアン鏡筒は惑星撮像用に使えるか(柚木健吉氏)、A home-page画像からのパラパラ動画作成(鈴木重則氏)、B大赤斑北部に現れるSEBs開口部の周期性について(筆者)。 また、鈴木氏からは彼が担当している報告画像をWebで公開する作業について、協力者募集の呼びかけがありました。

次回の開催地や時期については、決まり次第、月惑星研究会のホームページでお知らせする予定です。 是非、参加してみてください。

[図1] 木星会議の記念写真

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