B.M.ピーク(Bertrand Meigh Peek 1891-1964)著「The Planet Jupiter」(1958 Faber & Faber)、木星観測を始めた頃(1967年)、日本にはまだ木星観測のガイド本がなく佐藤健、平林勇の両氏に薦められ、発注してから半年後にやっと手に入れることができた本です。 主として過去にどのような現象があったのかが系統立てて書かれていて、何度も何度も読み返してもうポロポロになっています。
観測された現象に疑問や異常があればまずはこの本で調べたもので、月惑星研究会の例会の席にも必ずこの本がありました。
プロがほとんど木星観測をしていなかった1955年以前の観測記録として現在も価値が高く、最新論文の参考文献にもよく挙げられています。
故村山定男先生ももちろん所持されていて国立科学博物館の先生の研究室で木星談義に花を咲かせていると「その現象はほらここに書いてありますよ」などと・・・この本を手に取ると楽しい思い出もよみがえります。 いつぞや先生のスケッチのお手本はどなたですかと訪ねると「それはT.E.R.フィリップスですよ」とのお答え、なるほど先生の繊細で精密なスケッチはフィリップス譲りなんだと合点したものです。 そのフィリップスから直接指導・薫陶を受けたのが著者のピーク、フィリップスから英国天文協会(BAA)の木星課長(1934-1949)を引き継ぎ、後に会長(1938-1940)も務めました。
現在は絶版になっていますが、インターネット・アーカイブにありますので皆さんも一度読んでみてはいかがでしょう。 木星観測をする上でなくてはならない本、私にとって思い出の一冊です。
[図1] B.M.Peek著 The Planet Jupiter |
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木星観測のバイブルともいうべき名著です。 |
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