天文ガイド 惑星サロン
2018年8月号 (No.191)
堀川邦昭

ロンドンでの#RASJunoミーティング

5月10〜11日にロンドンで木星探査機ジュノーの支援観測のための、プロアマ・ワークショップがありました。 一昨年のニースに続いて2度目で、日本からは私一人が参加しました。 会場のRAS(王立天文協会)は、バーリントンハウスという由緒ある建物の一角にあります。 参加者は総勢53名(プロ18名)で、有名なプロやアマチュアが勢ぞろいし、国際版木星会議といった趣でした。

初日はミッションとその成果で、木星の内部構造、大気、磁場、オーロラなどの最新情報が満載でした。 アマチュアの観測も数多く使われています。 日本の観測もあり、貢献度は高いと感じました。 昼食時にはRASとBAA(英国天文協会)に残る、昔の生スケッチを見ました。 古い資料を保存する仕組みがあって素晴らしいです。

二日目は朝に、Royal Society(王立協会)の見学ツアーがあり、ハーシェルが天王星を発見した時の直筆の手紙や、アイザック・ニュートンのデスマスクなど、特別に蔵出しされた数々のお宝を見ることができました。 セッションはアマチュアによる撮像や解析結果の発表で、私は4番目に、赤斑湾に現れる開口部の周期性に関する発表を行いました。 2ヵ月前から台本を作り、リハーサルもしたので、つかえることなく無事終了。 反響は上々で、プロアマを問わず多くの人から声をかけてもらいました。

ジュノーは今後、軌道を入れ替えて大赤斑を優先的に観測するそうです。 また、ジュノー後は欧州がJUICEという探査機で、2029年から木星とガリレオ衛星を探査します。 その際もアマチュアの支援観測は重要となります。

2021年まで続くミッション中に、またワークショップがあるかもしれません。 若い人にも参加して、貴重な経験をしてほしいと感じました。

[図1] ワークショップの集合写真
後ろがバーリントンハウスの建物。筆者は中央やや右。

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