2018年には、久しぶりの大規模ダストストームが発生し、火星の観測者を大いに楽しませてくれました。 その反面、火星はただのオレンジ色の球になってしまい、眼視では模様がほとんど見えなくなりました。 きっと、このオレンジ色の下では、大変なことが起こっているだろうなと、だれしも想像していました。
地球上からは、ダストストームの特別に激しいところを探し出すことは困難でしたが、 大阪府の熊森氏がダストストームの雲頂に「波打ったしわ状」の模様を見事に記録しました。 これが大きなヒントになりました。
MRO(マーズ・リコナッサンス・オービター)の画像には、そうした波打ったしわのようなものが、あちらこちらに記録されているのです(図1)。 そのしわになった部分を追跡すると、ダストストームで模様の見えなくなった火星面の、どこにどれくらいの発達したダストストームがあるのかを知ることができるのです。 そこで、この公開されている画像を調べてみました。
MROによる火星像は、個々の画像をバナナの皮状につないだものなので、ダストストームの広がりの判断には経験がいりますが、5月から9月末までの追跡がほぼできました。 ダストストーム発生初期の広がり方と、中期の起こり方には大きな違いがあるという、新しい事実が発見できました。 中期は極冠付近の冷気が大きな役割をしていることが分かりました。
せっかくの公開画像です。 詳しく調べれば、まだまだ掘り出しものがありそうです。
[図1] MROが捉えたストストーム |
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中央やや下に「波打ったしわ状」の雲がみられる。出典:http://www.msss.com/msss_images/ 2018/06/27/ |
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