天文ガイド 惑星サロン
2022年6月号 (No.237)
鈴木邦彦

木星観測と出会った大学天文連盟惑星分科会

2021-22シーズンの月惑星研究会の木星観測日数は、堀川さんと私が166日間で最多でした。 生活リズムを木星の観測時刻に合わせた結果なのですが、勤務校の生徒からは「なぜ木星ばかり観測しているのですか?」とよく聞かれます。 「木星ほど変化の激しい面白い惑星はないからね・・」などと返答しながらも、考えてみれば他の惑星をよそに、エネルギーを木星に集中しているのはかなり偏(変)です。

木星との出会いは、東京理科大学(野田)の天文研究会惑星班でした。 近所だった部室の望遠鏡で、先輩や後輩たちと木星スケッチを取っていましたが、衝撃を受けたのは大学天文連盟(大天連)の惑星分科会に参加したときです。 大天連は1963年の北海道皆既日食をきっかけに、首都圏の大学天文サークルを中心に結成されました。 2000年には解散したそうですが、私が所属していた1980年代は活動が盛んで、他大学のバイタリティ、強者OB達の経験や知識の豊富さに大いに刺激を受けながら、木星観測の面白さにハマっていったのです。 スケッチのとり方、各種模様の経度測定方法、木星の諸現象の歴史などが、1年ほど分科会に参加すれば身につくようになっていました。

当時、年間のスケッチ枚数を分科会内で互いに競う習性が、いまだに私の中に残っているのかもしれません。

[図1] 第11回木星会議の冊子
1985年の開催で、大天連惑星分科会(分科会長は佐藤毅彦氏)が運営しました。自己紹介欄には今も活躍されている方々の名前が見られます。

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