天文ガイド 惑星サロン
2022年7月号 (No.238)
堀川邦昭

今年のオンライン木星会議

4月10日(日)に44回目となる木星会議がオンラインで開催されました。 例によって全国から木星好きの人達がネット上に集まり、木星漬けの一日を楽しみました。 今回は初めての試みとして、Youtubeによる会議の同時配信も行われました。

会議は午前10時に始まり、午前中は「木星会議を楽しむために」と題して、木星に関する基本的な知識や情報の解説を行いました。 午後は会議本番に入りました。 目玉の講演は、九州大学助教の中島健介先生による「木星ベルト・ゾーン構造と大赤斑の深さ:JUNO 探査より」でした。 中島先生は気象学が専門で、惑星大気について研究をされています。 探査機ジュノーによる成果の解説は大変興味深いものでした。

続いて、恒例となった筆者による木星面のまとめのセッションが行われました。 研究発表は4件で、日頃の観測・研究の成果が披露されました。 今回から木星以外の惑星についての発表も解禁になり、土星に関する発表も1件ありました。

今年の会議への参加申し込みは30数名と、昨年よりも少なかったのですが、これは申し込みが不要なYoutubeでの視聴に回った人達が多かったことが原因のようです。

夜は非公式ながらオンラインによる懇親会が開かれました。 近年はアマチュアによる発表の場が少なくなっています。 新しい発表の場を設けて、アマチュアの天文活動を盛り上げようと熱い議論が交わされました。

[図1] オンライン木星会議のひとコマ
今年は会議の同時配信が行われました。これは配信中のYoutube画面です。

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