惑星観測にPhilips社のToUcam PROというWebCamカメラが使われています。比較的安価で、惑星用には申し分のない性能を持ったカメラで、Registaxというソフトウェアと組み合わせた火星の素晴らしい画像を数多く見られたことと思います。実はこのカメラはすでに製造中止になっていて、インターネット・ショッピングでの注文も在庫があるだけとなっていました。
こうした状況の中で、10月にPhilips社からToUcam PROの後継機としてToUcam PRO II(PCVC840K)が発売されました。カタログ上の性能は、ToUcam PROと同じCCDチップを搭載し、低照度感度もまったく同じものでした。そこでToUcam PRO IIを実際に入手して、火星を撮影してみました。同じ合成Fでシャッター速度も同じで撮影していますが、どちらのカメラでも同じゲイン調整でした。シーイング条件の差が多少出ているかもしれませんが、両者の火星像に差はないと思われます。
ToUcam PRO IIは旧タイプとはレンズのネジピッチが異なり、アダプターが共通ではありません。また、ToUcam PROはネジ1本を緩めることで簡単にばらす事ができましたが、ToUcam PRO IIでは簡単ではありませんでした。この辺りに注意すれば、ToUcam PRO IIは従来のToUcam PROと全く同等な性能を持っています。
画像1 ToUcam PROとToUcam PRO IIカメラ 右は取付けアダプター (拡大) |
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画像2 火星画像の比較 |
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どちらも同じ画像が得られる。 撮影/伊賀祐一(京都市、28cmSCT)
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