天文ガイド 惑星サロン2004年2月号 (No.17)堀川邦昭

私の会心のスケッチ
まずは画像1のスケッチとCCD画像を見比べてください。これらは同日同時刻の1999年10月21日12時59分(UT)の観測で、16cm反射による私のスケッチと40cm反射によるCCD画像です(宮崎勲氏、沖縄県)。口径による見え方の違いや、細部で見落としなどの異なる点はあるものの、全体としてはかなりよく一致していると思われませんか? 当時、東亜天文学会(OAA)木土星課長をしておられた宮崎さんに観測報告を送ったところ、「大変よく一致している」と、わざわざ画像をお送りいただいたものです。

そもそも、同日同時刻の観測などめったにないものですし、16cmと40cmでは解像度が6倍以上も違いますので、同じ模様でもまったく違う見え方になることが多く、むしろ一致しなくて当然と言っても過言ではありません。この日はシーイングもまずまずで体調も良く、16cmの能力を最大限引き出すことができた、私の会心のスケッチの1枚なのですが、これほどよく一致するとは自分でも驚いています。

近年はCCDやデジカメによる観測が普及し、客観性に欠ける眼視観測は、何かと肩身が狭く感じられる時代になっていますが、信頼性の高い観測を積み重ねることで存在感をアピールして行きたいものです。

画像1 同一日時のスケッチとCCD画像

1999年10月21日 12時59分(UT) 体系I:22.9 体系II:188.2
スケッチ/堀川 邦昭(横浜市、16cm反射 200倍)
CCD画像/宮崎 勲(沖縄県、40cm反射 Lynxx-PC)

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