天文ガイド 惑星サロン2004年4月号 (No.19)伊賀祐一

衛星数ランキング
太陽系の惑星の中で、衛星をたくさん持つものはどれでしょうか。表1に示すように、もちろん木星が61個と最多を誇っています。しかし、2000年には土星が30個で、当時28個だった木星を上回っていた時があります。2003年以降、S.SheppardやD.Jweittらのチーム(ハワイ大学)が、マウナケア山頂の巨大望遠鏡で数多くの木星の衛星を発見したことによって、木星がランキングトップに君臨しています。

地球の衛星・月の半径は1738kmですが、これと同じぐらいの大きさの衛星は、木星のイオ(1821km)・ユーロパ(1565km)・ガニメデ(2634km、太陽系最大の衛星)・カリスト(2403km)、土星のタイタン(2575km)、海王星のトリトン(1353km)です。

さて、アマチュアでどれぐらいの衛星まで検出できるでしょうか。惑星本体との輝度差が大きいので少し工夫が必要ですが、30cmクラスで12等級まで、公立天文台などの60cmクラスで14等級までの衛星ならとらえることができそうです。火星のフォボス・ダイモスは非常に小さいのですが、大接近時にとらえられました。さらに、土星で7個、天王星で5個、海王星で1個ぐらいは可能性があります。意外なことに、ランキングトップの木星は4個のガリレオ衛星以外は14等級を越えてしまいます。

表1 太陽系惑星の衛星数ランキング
惑星衛星数
地球1個
火星2個
木星61個
土星31個
天王星27個
海王星13個
冥王星1個
(出典:天文年鑑2004, p199)

画像1 土星の衛星

タイタン以外の5個の衛星が写っています。土星本体は別露出を合成。
撮影/池村俊彦(名古屋市、31cm反射)

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