永続白斑は、STB(南温帯縞)に位置する白斑の呼び方で、1940年頃に形成されました。当時は3個の白斑、しかも今と違ってかなり大きな白斑でした。それぞれの白斑の長さが90度もあって、永続するものと考えても不思議ではなかったことでしょう。筆者が観測を始めた1970年代でも、長さが15度を超えていて、小望遠鏡でもはっきりした姿を見ることができました。
その頃、確かに永続白斑の長さが縮小していること、そしてその縮み方が指数関数的であることも分かっていました。いずれは白斑は消えてなくなるだろうとは考えられていましたが、でも誰が白斑どうしが合体することを予想していたでしょうか。
1997年には、かなり小さくなった3個の白斑が、非常に近い距離に集まっていました。そして、1998年3月の合をはさんで、前方の2個の白斑が合体したのです。さらに残った2個の白斑も距離が近くなり、2000年にはついに1個の白斑にまで合体して、現在観測できる'BA'だけになったのです。
木星面に見られる楕円形の白斑は他にもありますが、その後の観測で、もっとスケールは小さいけれども、SSTBの白斑どうしも合体を繰り返していることが分かりました。NEBn(北赤道縞)のバージどうしも同様な合体現象が観測されています。永続白斑は60年ぐらいの寿命を持っていますが、タイムスケールの異なる様々な現象があるものです。
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画像5 STBの永続白斑の合体現象 |
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